セイウチ【海象】
〘名〙 (sivuč 「とど」の意の誤伝)
セイウチ科の哺乳類。体長約三メートル、体重は一〇〇〇キログラムにも達する。体にはほとんど毛はなく、皮膚が厚い。四肢
(しし)はひれ状で、先に爪をもつ。頭は丸く吻
(ふん)に堅いひげをもち、上あごの犬歯は伸びて長大な牙となり雌で三〇センチメートル、雄では七〇センチメートルにもなる。北極
海の沿岸や氷上にすみ、牙で海底を掘り、貝・エビ・カニなどを捕食。動作はのろいが、牙で外敵と戦ったりする。アザラシ類と同様、耳介はなく、アシカ類のように後ろあしを前に曲げることができる。牙は
象牙の代用品として利用。
海馬(かいば)。かいぞう。
※博物図教授法(1876‐77)〈安倍為任〉二「海馬
(セイウチ)は樺太州の極北に棲む。其牙は長大にして
象牙に似たり」
かい‐しょう ‥シャウ【海象】
※土地収用法(1951)
三条「気象・海象・
地象又はこう水その他これに類する現象の観測」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
セイウチ(〈ロシア〉sivuch)
鰭脚目セイウチ科の哺乳類。北極海にすみ、体長約3.8メートル、体重約3トンに達する。2本の牙が雌雄ともにあり、雄では1メートルにも達する。貝を主食とする。
[補説]「海象」「海馬」とも書く。
[類語]海驢・膃肭臍・海馬・海豹
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
海象
大気における気象に対応した言葉で、海洋における物理学的・化学的・生物学的な諸現象を総称するのに用いられる。他に海況という言葉があり、大気の天気に 対応するが、両者の区別は明確とは言い難い。 (永田)
出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報
海象
かいぞう
「海象」の漢字は古来鰭脚(ひれあし)類のセイウチと読ませているが、ゾウアザラシ(ハナナガアザラシ=鼻長海豹)を海象とよんだ人も現れて混乱した。
[西脇昌治]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
海象 (セイウチ)
学名:Odobenus rosmarus
動物。セイウチ科の海産動物
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
世界大百科事典内の海象の言及
【海況】より
…大気の状態を天気とか天候とかいうことばで表すのに相当する。海況とまぎらわしいことばに海象があるが,後者は気象(雨,雪,風などの現象を指す)に対応することばで,個々の現象を意味する。つまり海況とは海象の総合された状態である。…
※「海象」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報