涜職罪(読み)とくしょくざい

日本大百科全書(ニッポニカ)「涜職罪」の解説

涜職罪
とくしょくざい

公務員が本来の務権限を逸脱・濫用して、不正な行為を行う犯罪。1995年(平成7)まで刑法には「涜職の罪」の規定があったが、刑法一部改正による表記の平易化を経た現行刑法は、その第二編第25章に「汚職の罪」の章を設け、職権濫用罪と贈収賄罪とをあわせ規定している。前者は、警察、検察など国家機関がその権力を背景として国民に対し人権侵害を行う罪であり、後者は、公務員等がその職務に関し不正の利益を受ける犯罪である。いずれの罪も、統治作用を担う公務員がその地位や権勢を利用して、不正な行為をしたり、国民の公務に対する信用を失墜させたりすることを内容とする。

[名和鐵郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「涜職罪」の解説

涜職罪
とくしょくざい

公務員がその職務執行の過程で職権を濫用して他人の権利,自由を侵害したり (→職権濫用罪 ) ,職務に関連して不正な報酬を収受,要求,約束したりすること (賄賂罪) によって成立する犯罪を総称する。刑法は,193条から 196条までに職権濫用罪を規定し,197条から 198条まで賄賂罪を規定し,それぞれを処罰している。涜職罪は,公務員の国民全体に対する奉仕者的地位にかんがみ,その品位保持と公的作用の公正維持のために処罰され,その点に保護法益も求められている。 (→賄賂 )  

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精選版 日本国語大辞典「涜職罪」の解説

とくしょく‐ざい【涜職罪】

〘名〙 公務員などが職をけがすことによって成立する罪の総称。職権濫用罪と賄賂(わいろ)罪をあわせていう。現在では、汚職の罪という。

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