デジタル大辞泉
「渥美清」の意味・読み・例文・類語
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渥美 清
アツミ キヨシ
- 職業
- 俳優
- 本名
- 田所 康雄
- 生年月日
- 昭和3年 3月10日
- 出生地
- 東京市 下谷区車坂町(東京都台東区上野)
- 学歴
- 巣鴨中〔昭和20年〕卒
- 経歴
- さまざまな劇団を経て、昭和26年浅草の百万ドル劇場の専属コメディアンとなる。28年浅草のフランス座に入り、コメディアンとして才を磨く。29年肺結核で片肺を切除したが、3年後に復帰。34年よりテレビに進出。37年フジテレビ「大番」の主役で大当りし、スターとなる。38年松竹の「拝啓天皇陛下様」の主役で、愛すべき無知な庶民を生き生きと演じ映画俳優としての地位を築く。43年山田洋次脚本によるフジテレビの連続ドラマ「男はつらいよ」に主演、翌44年山田監督で映画化され、以来夏と正月の2本のペースで(その後は正月のみ)全48作品がヒット、松竹の屋台骨を支える大成功シリーズとなった。世界にも類のない長寿シリーズとしてギネスブックにも登録された。全国を渡り歩く主人公“フーテンの寅”は自身が少年時代に見かけたテキ屋の思い出をもとに、山田監督が作り出したキャラクターで、渥美清=車寅次郎という映画史上まれにみる一つの典型的人間像が作りあげられた。死後、国民栄誉賞が贈られた。
- 受賞
- 国民栄誉賞〔平成8年〕 紫綬褒章〔昭和63年〕 キネマ旬報賞主演男優賞(昭44年度),ブルーリボン賞主演男優賞(昭57年度)「男はつらいよ」,葛飾区民栄誉賞〔昭和60年〕,毎日芸術賞(特別賞 第30回 昭63年度),浅草芸能大賞(第5回)〔平成1年〕,柴又名誉町民賞〔平成8年〕,牧野省三賞(第38回)〔平成8年〕,報知映画賞特別賞(第21回)〔平成8年〕,日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞特別賞(第9回)〔平成8年〕,ゴールデングロス賞(マネーメイキングスター)〔平成8年〕,ゴールデン・アロー賞特別賞(第34回 平8年度)〔平成9年〕,毎日映画コンクール特別賞(第51回 平8年度)〔平成9年〕,日本アカデミー賞協会特別賞(第20回 平8年度)〔平成9年〕 毎日映画コンクール男優主演賞(昭44年度)
- 没年月日
- 平成8年 8月4日 (1996年)
- 伝記
- 風天 渥美清のうた虎の目にも涙―44人の虎ばなしおーい、寅さん―ニッポン人脈記渥美清の肘突き―人生ほど素敵なショーはない定本 日本の喜劇人渥美清―浅草・話芸・寅さん映画をたずねて―井上ひさし対談集拝啓 渥美清様寅さん完全最終本おかしな男 渥美清寅さんと麗しのマドンナたち知られざる渥美清歌った、踊った、喋った、泣いた、笑われた。―浅草で、渥美清、由利徹、三波伸介、伊東四朗、東八郎、萩本欽一、ビートたけし…が芸人という生き方―渥美清のことなど涙の取材手帳残照の中で―渥美清の語られざる晩年スター誕生―ひばり・錦之助・裕次郎・渥美清そして新・復興期の精神寅さーん!渥美清の伝言寅さんと日本の民衆お兄ちゃん寅さんは生きている私たちの寅さん寅さん、ありがとう!!「それを言っちゃあ、おしまいよ!!」―渥美清よ永遠に渥美清 役者もつらいよみんなの寅さん―「男はつらいよ」の世界 森 英介 著福井 栄一 著小泉 信一 著福田 陽一郎 著小林 信彦 著堀切 直人 著井上 ひさし 著読売新聞社会部 編川本 三郎 監修小林 信彦 著吉村 英夫 著大下 英治 著松倉 久幸 著矢野 誠一 著鬼沢 慶一 著城 光貴 著吉田 司 著泉 修一 著NHK「渥美清の伝言」制作班 編山田 洋次 著倍賞 千恵子 著日刊スポーツ新聞社文化部 編「私たちの寅さん」刊行委員会 編渥美清を送る会 編吉岡 範明 著佐藤 忠男 著(発行元 文芸春秋技報堂出版朝日新聞出版岩波書店新潮社晶文社筑摩書房中央公論新社小学館新潮社実業之日本社廣済堂出版ゴマブックス文芸春秋幻冬舎蝸牛社講談社杉並けやき出版,星雲社〔発売〕KTC中央出版旬報社廣済堂出版朝日ソノラマシーアンドシー出版,星雲社〔発売〕鹿砦社双葉社朝日新聞社 ’10’09’09’08’08’07’06’06’05’03’02’02’02’01’00’99’99’99’99’98’97’97’96’96’96’93発行)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報
渥美 清
アツミ キヨシ
昭和・平成期の俳優
- 生年
- 昭和3(1928)年3月10日
- 没年
- 平成8(1996)年8月4日
- 出生地
- 東京市下谷区車坂町(現・東京都台東区上野)
- 本名
- 田所 康雄
- 学歴〔年〕
- 巣鴨中〔昭和20年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- キネマ旬報賞主演男優賞(昭44年度),毎日映画コンクール男優主演賞(昭44年度),ブルーリボン賞主演男優賞(昭57年度)「男はつらいよ」,葛飾区民栄誉賞〔昭和60年〕,紫綬褒章〔昭和63年〕,毎日芸術賞(特別賞 第30回 昭63年度)〕,浅草芸能大賞(第5回)〔平成1年〕,国民栄誉賞〔平成8年〕,柴又名誉町民賞〔平成8年〕,牧野省三賞(第38回)〔平成8年〕,報知映画賞特別賞(第21回)〔平成8年〕,日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞特別賞(第9回)〔平成8年〕,ゴールデングロス賞(マネーメイキングスター)〔平成8年〕,毎日映画コンクール特別賞(第51回 平8年度)〔平成9年〕,ゴールデン・アロー賞特別賞(第34回 平8年度)〔平成9年〕,日本アカデミー賞協会特別賞(第20回 平8年度)〔平成9年〕
- 経歴
- さまざまな劇団を経て、昭和26年浅草の百万ドル劇場の専属コメディアンとなる。28年浅草のフランス座に入り、コメディアンとして才を磨く。29年肺結核で片肺を切除したが、3年後に復帰。34年よりテレビに進出。37年フジテレビ「大番」の主役で大当りし、スターとなる。38年松竹の「拝啓天皇陛下様」の主役で、愛すべき無知な庶民を生き生きと演じ映画俳優としての地位を築く。43年山田洋次脚本によるフジテレビの連続ドラマ「男はつらいよ」に主演、翌44年山田監督で映画化され、以来夏と正月の2本のペースで(その後は正月のみ)全48作品がヒット、松竹の屋台骨を支える大成功シリーズとなる。世界にも類のない長寿シリーズとしてギネスブックにも登録された。全国を渡り歩く主人公“フーテンの寅”は自身が少年時代に見かけたテキ屋の思い出をもとに、山田監督が作り出したキャラクターで、渥美清=車寅次郎という映画史上まれにみる一つの典型的人間像が作りあげられた。死後、国民栄誉賞が贈られた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
渥美清【あつみきよし】
俳優。本名田所康雄。東京生れ。1945年巣鴨中学卒。いくつかの劇団をへた後,浅草のフランス座でコメディアンとして修行。野村芳太郎監督《拝啓天皇陛下様》(1959年)で粗野だが天衣無縫な人物を好演,出世作となる。その後羽仁進監督《ブワナ・トシの歌》(1965年),加藤泰監督《沓掛時次郎・遊侠一匹》(1966年)などで海外赴任するサラリーマンや侠客を演じる。1969年山田洋次監督の《男はつらいよ》で庶民的なキャラクター〈葛飾柴又の車寅次郎〉役を務め,これが生涯の当り役となった。同シリーズは全48作という世界でも例のない長寿連作となり,広く親しまれた。ほかに山田監督の《キネマの天地》(1986年)などがある。1996年国民栄誉賞を受賞。
→関連項目軽演劇|長門勇
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渥美清
あつみきよし
(1928―1996)
俳優。東京都生まれ。本名田所康雄。巣鴨中学(旧制)卒業後、数々の大衆演劇劇団を経て、1953年(昭和28)浅草のフランス座に入る。浅草軽演劇の黄金時代に、コメディアンの才を磨く。1954年肺結核で片肺を切除したが、3年後に復帰。1959年にテレビに進出。1962年フジテレビ『大番』の主役でお茶の間の人気を博す。1963年の松竹映画『拝啓天皇陛下様』が映画俳優としての出世作で、無知でひたむきな愛すべき庶民像を生き生きと演じた。1968年フジテレビの連続ドラマ『男(おとこ)はつらいよ』(山田洋次脚本)に主演、翌1969年に映画化され国民的人気俳優となった。映画『男はつらいよ』は1996年(平成8)の正月公開作品まで全48作というギネスブックにも登録される世界にも類のない長寿シリーズとなった。全国を渡り歩く主人公「フーテンの寅(とら)=車寅次郎」は、自身が少年時代に見かけたテキ屋の思い出をもとに山田洋次監督が作り出したキャラクターで、渥美清の代名詞ともなった。1969年キネマ旬報主演男優賞、毎日映画コンクール男優主演賞、1982年ブルーリボン賞主演男優賞ほか数々の賞を受賞。1988年には紫綬褒章(しじゅほうしょう)を受章。死後、国民栄誉賞が贈られた。平成8年8月4日没。
[編集部]
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渥美清
あつみきよし
[生]1928.3.10. 東京
[没]1996.8.4. 東京
映画俳優。本名,田所康雄 (たどころやすお) 。東京市下谷区車坂町 (現,上野7丁目) に生れる。中学卒業後,新派軽演劇の幕引きとなり,いくつもの劇団を渡り歩く。 1953年,浅草のストリップ劇場,フランス座に入る。当時のフランス座には,コメディアンの関敬六,谷幹一,八波むと志,佐山俊二,南利明らがおり,裏方には井上ひさしがいた。 54年結核で入院したが,56年に復帰し,61年,NHKの『夢であいましょう』『若い季節』,フジテレビの『大番』で人気を得る。 68年,山田洋次脚本によってフジテレビの連続ドラマ『男はつらいよ』に主演。翌 69年映画化され,「フーテンの寅さん」役で国民的人気を集める。この『男はつらいよ』の映画シリーズは全 48作という,これまでにない長寿記録を達成した。 88年紫綬褒章を受章。没後国民栄誉賞が贈られた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
渥美清 あつみ-きよし
1928-1996 昭和後期-平成時代の俳優。
昭和3年3月10日生まれ。昭和28年浅草フランス座にはいり,コメディアンとして活躍。36年NHK「夢であいましょう」に出演,37年フジテレビの「大番」主演でスターとなる。44年山田洋次監督の映画「男はつらいよ」の主人公フーテンの寅こと車寅次郎役で人気を得,同シリーズの第48作を最後に平成8年8月4日死去。68歳。国民栄誉賞。東京出身。巣鴨中学卒。本名は田所康雄。
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渥美 清 (あつみ きよし)
生年月日:1928年3月10日
昭和時代;平成時代の俳優
1996年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の渥美清の言及
【男はつらいよ】より
…《寅さん》シリーズとも呼ぶ。1969年の第1作以来,監督は山田洋次,主演は渥美清。シリーズとして世界最長記録である。…
【軽演劇】より
… しかし一方,戦後,軽演劇にとってかわった形で庶民の娯楽として全盛をきわめたストリップショーのコントの中から,あらたな軽演劇の人材が育った。たとえば,一時期の浅草フランス座には,戦前からのベテランの佐山俊二のほか,渥美清(1928‐96),関敬六,谷幹一,南利明,八波むと志,作家の井上ひさし(1934‐ )といった,若い才能が集まっていた。また由利徹は〈ムーラン・ルージュ〉解散後は新宿セントラルなどに出演していたし,三波伸介(1930‐82),戸塚睦夫は新宿フランス座の出身である。…
【柴又】より
…1629年(寛永6)に創建された日蓮宗の題経(だいきよう)寺([柴又帝釈天])は庚申待ちの信仰と結びついて,江戸時代後期から参詣者がふえ,1913年京成金町線の開通により,柴又はその門前町としてにぎわうようになった。最近は,渥美清の演ずる映画〈男はつらいよ〉シリーズの舞台として知られている。また,江戸川を横切って松戸に渡る矢切の渡(やぎりのわたし)も残る。…
※「渥美清」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」