温故知新(読み)おんこちしん

四字熟語を知る辞典「温故知新」の解説

温故知新

古いこと、昔のことを研究して、そこから新しい知識や道理を見つけ出すこと。

[使用例] たとひ其のおもては一意専念過去を想ふやうに見えたるも其うらは所謂温故知新の沙汰にて未来の料にとてすることなり[坪内逍遙*あずさ|1891]

[使用例] 今日は午前中市内の名所古蹟を見学。一と口に申しますと温故知新のカマクラの町は若いお二人連れの散歩者がたいへん多いところでございます[石坂洋次郎*若い人|1933~37]

[使用例] 温故知新の作業は、歴史の運命的な分岐点において、特に必要であると考えられる。その運命的な分岐点の最も著しいものが、御前会議に集約されている[五味川純平*御前会議|1978]

[解] 「論語」にあることばです。「ふるきをたずねて新しきを知る」と訓読します。「昔はどうだったか」ということを探求して、そこから、今後へのヒントを得るということです。
 例文の[梓神子]の文章は一見読みにくそうですが、内容は難しくありません。人は、夜の夢とは違って、昼間は未来のことを夢見る、という文章です。
 引用部分では、「たとえ表面上は過去のことにこだわっているようでも、それは『温故知新』で、過去を尋ねて未来の材料にしているのだ」と言っています。芸術でも社会的活動でも、過去の蓄積に基づいて、新しいものが作られます。
 テレビで「温故」を「ふるきをあたためて」と読んでいたのを、ある作家が批判したことがあります。はたして、「あたためて」は間違いでしょうか。
 岩波文庫『論語』では「あたためて」を採用しており、漢和辞典も「たずねて」「あたためて」を併記しています。「古いものに温もりを与えて」と捉えれば、「あたためて」でもいいわけです。

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デジタル大辞泉「温故知新」の解説

おんこ‐ちしん〔ヲンコ‐〕【温故知新】

《「論語」為から》過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解をひらくこと。
[補説]「ふるきをたずねて新しきを知る」と訓読する。「温」を「あたためて」と読む説もある。なお、「温古知新」と書くのは誤り。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「温故知新」の解説

おんこ‐ちしん ヲンコ‥【温故知新】

〘名〙 (「論語‐為政」の「故(ふる)きを温(たず)ね、新しきを知る」から) 昔のことを研究して、そこから新しい知識や道理を見つけ出すこと。
※続日本紀‐大宝三年(703)三月丁丑「然温故知新希有其人」 〔漢書‐成帝紀〕

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とっさの日本語便利帳「温故知新」の解説

温故知新

古きをたずねて新しきを知る。先人知恵に学ぶこと。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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