四字熟語を知る辞典「温故知新」の解説
温故知新
[使用例] たとひ其の
[使用例] 今日は午前中市内の名所古蹟を見学。一と口に申しますと温故知新のカマクラの町は若いお二人連れの散歩者がたいへん多いところでございます[石坂洋次郎*若い人|1933~37]
[使用例] 温故知新の作業は、歴史の運命的な分岐点において、特に必要であると考えられる。その運命的な分岐点の最も著しいものが、御前会議に集約されている[五味川純平*御前会議|1978]
[解説] 「論語」にあることばです。「
例文の[梓神子]の文章は一見読みにくそうですが、内容は難しくありません。人は、夜の夢とは違って、昼間は未来のことを夢見る、という文章です。
引用部分では、「たとえ表面上は過去のことにこだわっているようでも、それは『温故知新』で、過去を尋ねて未来の材料にしているのだ」と言っています。芸術でも社会的活動でも、過去の蓄積に基づいて、新しいものが作られます。
テレビで「温故」を「ふるきをあたためて」と読んでいたのを、ある作家が批判したことがあります。はたして、「あたためて」は間違いでしょうか。
岩波文庫『論語』では「あたためて」を採用しており、漢和辞典も「たずねて」「あたためて」を併記しています。「古いものに温もりを与えて」と捉えれば、「あたためて」でもいいわけです。
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