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火事装束 カジショウゾク

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デジタル大辞泉の解説

かじ‐しょうぞく〔クワジシヤウゾク〕【火事装束】

消火に従事する人の服装。江戸時代は、火消しが作業服として着たものと、警備用に武家が用いたものとがある。火事頭巾(かじずきん)火事羽織野袴(のばかま)などを着用した。

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百科事典マイペディアの解説

火事装束【かじしょうぞく】

江戸時代に生まれた特殊な装束で火災時に限り着用する。消火を専業とする火消が用いたものと,武家が警備のため用いたものとがある。前者は羽織,頭巾(ずきん),手套(てぶくろ)とも木綿の袷(あわせ)仕立を刺子で縫いつぶした実用的なもの,後者は羅紗(らしゃ),革などの羽織に家紋をほどこし,小型の兜(かぶと)や陣笠(じんがさ)をつけた装飾的な威儀服である。

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世界大百科事典 第2版の解説

かじしょうぞく【火事装束】

火災のときに限って用いられる非常用の服装。古くこうした特殊な装束はみられなかったが,江戸時代になって都市が発達し,大きな火災がしきりに起こるようになり,これに対して特別な防火・消火手段が必要になったことと,太平な世がつづいてすべての武装が全般的に華美となり形式化していったことから,このような特殊な服装が生まれたものであろう。
[火消の火事装束
 江戸の町方で消火を専業とした町火消,または大名にかかえられていた大名火消の火事装束は,いずれにしても消火・防火ということを職業とする人たちの作業服であるから,構造はひじょうに機能的にできている。

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大辞林 第三版の解説

かじしょうぞく【火事装束】

江戸時代、消火に当たる人の服装。主に武家の服装にいい、火事頭巾・火事羽織・野袴・胸当・革足袋などからなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

火事装束
かじしょうぞく

江戸時代に火災に際して着用した装束。明暦(めいれき)の大火(1657)を機に始まる。これには、町方で消火を専業とした町火消、および大名に抱えられた大名火消が着用した消火・防火のための機能的作業服と、武家が火災のときに警護のために着用した装飾的な威儀服の2種類がある。武家の火事装束は兜頭巾(かぶとずきん)または陣笠(じんがさ)、羽織、胸当て、袴(はかま)で構成される。兜頭巾は百重張(ももえばり)製の(はち)に羅紗(らしゃ)の錣(しころ)付きの華麗なもの。羽織は羅紗の背割羽織で5か所の定紋(じょうもん)付き、革製のものは藩の記号を白く染め抜いた。胸当ても同様の作りで、これは羽織の下につける。羽織には放ち裾(すそ)を押さえるため石帯を締める。袴は緞子(どんす)や錦(にしき)、縞物(しまもの)の野袴(のばかま)であるが、下級の者には踏込(ふんごみ)袴、裾細(すそぼそ)袴、軽袗(かるさん)なども用いられた。一方、火消の装束の規定は1797年(寛政9)のことで、その構成は頭巾、羽織、手套(しゅとう)、股引(ももひき)である。武家の仲間や鳶(とび)の者には、法被(はっぴ)や長半天(ながばんてん)も用いられた。頭巾は猫(ねこ)頭巾とよばれ、は綿入れ、錣と覆面は木綿の袷(あわせ)仕立てで、いずれも全面に刺子(さしこ)が施された。衣類も木綿の袷仕立てでこれも刺子である。火に近づいたときに全身を水にぬらすが、刺子でないと水を含まないためである。武家の女子用の火事装束も存在したが、これは警備用または避難用のもので、男子のものよりも一般に華やかであった。明治以降、武家の火事装束は姿を消すが、町方のものは洋式消防衣の採用までほぼそのままの形で用いられた。[山内まみ]

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