精選版 日本国語大辞典 「腹掛け」の意味・読み・例文・類語
はら‐がけ【腹掛・腹懸】
- 〘 名詞 〙
- ① 職人などが着ける作業衣。多く紺木綿で作り、胸・腹をおおって細い共布を背中で斜十文字に交差させてとめるもの。腹の部分に幅いっぱいの物入れを付ける。はらあて。
- [初出の実例]「きつきたばこにくらくらとする〈荷兮〉 暑き日や腹かけばかり引結び〈同〉」(出典:俳諧・曠野(1689)員外)
- ② 子どもに、寝冷え予防のために着ける布。胸・腹をおおい、背中で紐を結ぶもの。はらあて。《 季語・夏 》
- 腹掛②〈拾遺都名所図会〉
- [初出の実例]「腹懸は母の教の寝まき哉〈湖十〉」(出典:俳諧・俳諧古選(1763)二)
- ③ 馬具の名。裸馬や荷馬の腹をおおう布。〔文明本節用集(室町中)〕
- ④ 和船の舵を保持する棕櫚皮製の道具で、艫の車立より舵の身木を巻いてとめるもの。〔廻船必要(19C初)〕