翻訳|lightship
陸地から離れた海洋中または航路上の重要な位置にある浅瀬などを示すため、マスト上に灯器を掲げ定置して灯台のかわりをさせる船。夜間は灯光、昼間は赤い船体に大きく書かれた白い灯船名と白色の上部構造物で、容易に他船と区別できるようになっている。数名の看守者が常時、交替で維持・管理にあたっているので、必要に応じて霧信号を行ったり、夜間はマストの前方支持索に灯火を掲げて、船首尾方向から流向、風向がわかるなど航行援助施設としての価値は高い。
外国では、ドーバー海峡などの主要点、河川港の入口などに多く用いられている。日本では、東京港の入口にただ一つあった「東京灯船」が、1968年(昭和43)に「東京灯標」に改められて、なくなった。
[川本文彦]
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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[航路標識の種類]
(1)夜標 灯火によってその位置を示し,特定の灯光信号を発して,主として夜間航行の目標とするが,昼間の目標としても十分効力のある構造と彩色を備えている。夜標の種類としては,遠距離からの目標あるいは港湾および沿岸航路の標識となる灯台,暗礁や浅瀬上に設置し,乗揚げを予防する灯標,暗礁や浅瀬を示し乗揚げを予防し安全な航路を表示するブイ形式の灯浮標,沖合または航路上重要な位置に定置する灯船,航行困難な狭水道や狭い湾口,港口などの航路線を2個以上の標識で示す導灯,狭水路などを安全航行できるように可航水路を白光で,その外側危険水域を緑光および紅光で示す指向灯,険礁,防波堤先端などの危険物付近海面を照射する照射灯などがある。航路標識の灯火は一般の灯火と識別しやすいように,また付近にある他の航路標識との誤認を避けるために特定の灯火の色と発射状態(灯質)を決めている。…
※「灯船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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