烏賊(読み)いか

精選版 日本国語大辞典 「烏賊」の意味・読み・例文・類語

いか【烏賊】

〘名〙 頭足類の十腕類に属する種類の総称。体は胴部と頭部に分かれ、頭部にある口の周囲から五対の腕がでる。胴は円筒状または円錐状で、その先端にひれがある。腕のうち一対は触腕で、他の腕より長く、先端の吸盤獲物を捕える。はやく泳ぐときは頭部にあるとがった漏斗(ろうと)から水を吐き出し、その反動で進む。外敵にあうと墨を出して逃げる。日本各地の沿岸から深海にかけて広く分布する。スルメイカ、ヤリイカコウイカケンサキイカなど種類は多く、食用となり、乾燥したものは「するめ」と呼ぶ。《季・夏》
播磨風土記(715頃)禾「伊加麻川、大神、国占めましし時、烏賊、此の川に在りき。故、烏賊間川と云ふ」
[語誌](1)甲殻の硬いコウイカ目を「烏賊」、柔らかいツツイカ目を「柔魚」と書き分けるという説があり、「墨魚」の異名もある。漢籍では「」「鯽」「」などの表記も用いられ、「」という国字もある。女房詞では「いもじ」と呼ばれる。
(2)イカは死んだふりをして水面に浮かんでいて、カラスがついばもうとするときこれを巻き取ることから「烏賊」の字が当てられると「和名抄」に見える。
(3)現在イカを数えるときは「一杯、二杯」という。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「烏賊」の意味・読み・例文・類語

いか【烏賊】

コウイカ目とツツイカ目の頭足類の総称。胴は円筒状の外套膜がいとうまくに包まれ、先に幅広のひれがある。10本の腕をもち、特に長い2本は捕食などに用い、敵にあうと墨を出して逃げる。コウイカ類は石灰質の甲を、ツツイカ類は膠質こうしつの軟甲をもつ。すべて海産。食用となるものが多く、干したものは「するめ」という。 夏》

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「烏賊」の読み・字形・画数・意味

【烏賊】うぞく

いか。

字通「烏」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「烏賊」の解説

烏賊 (イカ)

動物。二鰓目,十腕亜目に属する動物の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android