熱帯収束帯(読み)ねったいしゅうそくたい(英語表記)intertropical convergence zone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「熱帯収束帯」の解説

熱帯収束帯
ねったいしゅうそくたい
intertropical convergence zone

赤道付近の熱帯域に形成される収束帯(→前線)。かつては熱帯前線赤道前線赤道収束帯赤道低圧帯とも呼ばれたが,今日では一般的に熱帯収束帯と呼ぶ。ITC,ITCZと略されることも多い。中・高緯度の前線帯のように気温差をあまり伴わず,南北両半球の貿易風の収束(風向差)によって形成されることから収束帯と呼ばれる。気象衛星の観測などから,赤道付近を帯状にとりまく対流雲列(積乱雲)に対して使用される。風の収束が弱くても,高い海水温による活発な対流活動等で発生する積乱雲群の海域なども,熱帯収束帯と呼ばれる。夏季には赤道を越えて流入する貿易風と夏半球側の貿易風との間に収束帯をつくるため,季節によって両半球へ移動する。収束帯内で注目すべき現象として 30~60日の周期でインド洋域から赤道中部太平洋域を東進しながら発達と消滅を繰り返す季節内変動といわれる現象があり,モンスーン強弱エルニーニョ現象などと深く関係しているといわれる。

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デジタル大辞泉「熱帯収束帯」の解説

ねったい‐しゅうそくたい〔‐シウソクタイ〕【熱帯収束帯】

南北両半球の貿易風が合流する帯状の境界。一般に北半球の夏のときには北半球に、冬には南半球に移動する。上昇気流が生じて積乱雲が発達し、降水量が多い。赤道前線。熱帯前線。赤道収束帯。ITCZ(intertropical convergence zone)。

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百科事典マイペディア「熱帯収束帯」の解説

熱帯収束帯【ねったいしゅうそくたい】

熱帯前線,赤道収束帯,モンスーン・トラフとも。略称ITCZ(intertropical convergence zoneの略)。両半球の貿易風がほぼ東西にのびる一線上で衝突,収束しているところ。赤道付近の夏半球側にあり,西太平洋からアフリカにかけては夏冬で位置が大きく変わる。南北両半球の気団の境界だが,密度や温度の不連続性はほとんどない。収束の度の強いところでは積乱雲が発達し雷やスコールを伴う。
→関連項目ハブーブ

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世界大百科事典 第2版「熱帯収束帯」の解説

ねったいしゅうそくたい【熱帯収束帯 intertropical convergence zone】

北半球の北東貿易風と南半球の南東貿易風が合流する領域のこと。略称ITCZ。赤道収束帯,赤道前線,熱帯前線,モンスーン・トラフなどの別名がある。日々の変動は大きいが,平均的にみると東西にほぼ連続して(大陸上では不明瞭になりがち)地球をとりまいている。その位置は季節によって異なり,北半球の夏には最も北へ,南半球の夏には最も南へかたよる。位置の季節変動の小さい地域は,太平洋東部と大西洋で,収束帯は北半球の夏には北緯10゜付近,南半球の夏には赤道付近に位置する。

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世界大百科事典内の熱帯収束帯の言及

【前線】より

…そこでは温度差が小さいと同時に水平方向に作用するコリオリの力がゼロかそれに近いためである。熱帯では出発点が異なる気流の会合する地帯を前線のかわりに熱帯収束帯と呼ぶ。多くの場合,それは北半球の貿易風と南半球の貿易風の会合である。…

※「熱帯収束帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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