雄大積雲の上部に鉄床雲(かなとこぐも)が生じたもの。記号Cb。入道雲、雷雲ともいう。大気の成層状態が不安定なときには、大気下層に発生した積雲が急速に上空に向けて発達し、雲頂が圏界面の近くまで達することがある。この状態を雄大積雲という。積雲の雲粒は水滴であるが、上空まで発達すると気温が下がり氷晶が発生する。小さな氷晶は上昇気流によって対流圏上部まで吹き上げられ、そこで水平に広がる。その部分を鉄床雲(鉄雲(かなとこぐも)とも書く)という。積乱雲の直径は10キロメートル、高さは、中緯度で8キロメートル、低緯度で16キロメートル程度である。激しい雨(夕立、スコール)または地表気温が0℃以下であれば雪を降らせる。ときとして、雷鳴、雷光を伴い、雹(ひょう)を降らせることがある。雲底は低く、暗く、乱れており、ちぎれたような雲(片乱雲(へんらんうん))を伴う。積乱雲の内部から冷たい空気が吹き下りて地表面に沿って広がることがあり、その先端にはアーチ雲とよばれるロール状の雲が発生することがある。
[木村龍治]
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… なお,地面付近で,暖かい気塊と冷たい気塊の混合,または地面の放射冷却などで空気が冷えるときなどに発生したものは霧と呼ばれる。
【性質】
雲粒の大きさや濃度(1cm3中の個数)は雲の種類や成長段階によって違うが,たとえば小さい大陸性の積雲では大部分の雲粒は半径5μmで200~300個/cm3程度,積乱雲中では10μmで100個/cm3程度である。急速にできた雲中では粒の大きさの程度(粒度分布)はそろっているが,比較的ゆっくりできた雲中においては大小の雲粒がまじって幅広い程度分布となっている(図1,図2)。…
※「積乱雲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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