出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
爪判(つめばん)、爪形(つめがた)、拇印(ぼいん)ともいう。親指の先に印肉をつけて押捺(おうなつ)し、印判(いんぱん)、書判(かきはん)のかわりとした。平安末期からみられ、江戸時代には戸主以外の庶民はほとんどこれを用い、訴訟当事者や罪人の口書(くちがき)にも爪印が押された。
[編集部]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…紀元前8世紀のメソポタミア楔形(くさびがた)文字の粘土版に見える。これは土地売買の契約証文であり,世界最古の爪印資料である。日本の爪印資料は14世紀のものが知られているが,最近の研究では9世紀にまでさかのぼる資料の確認ができた。…
…そのため指印といわれることもある。また古くは爪印ともいわれた。指紋によって本人が押したかどうかを識別することが可能であるので,押印する必要がある者が印章を持ち合わせていない場合に臨時のものとして用いられることがある。…
…花押(かおう)の代りに用いられた簡略な記号,符号。略花押ともいい,古文書学上の名辞。花押を署記するだけの執筆能力のないもの,花押をもたない女性,未成年者などの間に用いられた。12世紀前半の大治~保延(1126‐41)ごろから現れ,中世を通じて,起請文(きしようもん),土地売券(ばいけん)などに多く用いられて17世紀に及んだが,印章(印判)使用の風が16世紀後半から広く庶民の間に広がり,江戸時代に入って,百姓町人が公式の届書に印章を押捺するようになると,17世紀中ごろ(寛永期)を境として,庶民の花押使用が激減し,それにともなって略押の使用例も急速に減少し,やがて消滅する。…
※「爪印」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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