片刃(読み)カタハ

デジタル大辞泉 「片刃」の意味・読み・例文・類語

かた‐は【片刃】

《「かたば」とも》
刃物で、刃先断面片側だけに刃がついていること。また、その刃物。⇔両刃
刀剣などで、しのぎを境に片側だけに刃がついていること。また、その刃物。⇔両刃諸刃もろは
目的とする鉱物と他の鉱物とで一粒子を構成している鉱石選鉱を経て目的の鉱物を取り出す。
[類語]諸刃両刃替え刃やいば刃物打ち物凶刃

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精選版 日本国語大辞典 「片刃」の意味・読み・例文・類語

かた‐は【片刃】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かたば」とも ) 刀剣、小刀かみそりなどの片側だけに刃をつけたもの。⇔諸刃(もろは)両刃
    1. [初出の実例]「金漆銅作大刀一口 刃長二尺二寸六分鋒者偏刃有溝」(出典:正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献物帳)

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改訂新版 世界大百科事典 「片刃」の意味・わかりやすい解説

片刃 (かたは)
locked particle

選鉱・選炭において有価物の分離は粒子単位で行われる。ところが天然の鉱石や石炭では,回収を目的とする鉱物粒が除外したい鉱物粒と共生している。このように2種以上の鉱物が共生した粒子のことを片刃と呼ぶ。また,選鉱・選炭における中間産物で,その品位精鉱と廃石の中間にあるものも片刃,あるいはミドリングmiddling,中鉱などと呼ばれる。片刃粒子は粉砕によってしだいに単体の鉱物粒に分かれる。この過程を単体分離liberationと呼ぶ。特定の成分が片刃粒子の形で存在する割合は片刃度と呼ばれ,選鉱・選炭のような物理的分離操作による選別の限界を知るための指標として使われる。
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世界大百科事典(旧版)内の片刃の言及

【刃物】より

…二つの面が鋭く交わる刃先cutting edgeによって,切り,削り,彫る道具の総称。剣のように身の両側に刃がつくものを諸刃(もろは)または両刃(りようば),刀のようにその片側に刃がつくものを片(偏)刃(かたは)と呼ぶ。こうした呼び分けは,日本では奈良時代以来行われ,〈かたな〉の語も片刃(〈な〉は刃の古称)に由来する。…

※「片刃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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