精選版 日本国語大辞典「刃」の解説
やい‐ば【刃】
〘名〙 (「やきば(焼刃)」の変化した語)
① 刀剣類の焼き入れをした刃。また、刃の上にある波紋状の模様。〔伊呂波字類抄(鎌倉)〕
※大観本謡曲・小鍛冶(1537頃)「進退ここにきはまりて、御劔の刃の乱るる心なりけり」
② 刀剣、刃物の総称。
※太平記(14C後)二二「復操レ斧持レ柄、授二将其刃(ヤイバ)一曰」
③ 刀剣などを手にしての戦いの意で、戦乱をいう。
※浄瑠璃・絵本太功記(1799)十日「討死するも武士の習ひといへど情ない、十八年の春秋を刃の中に人と成り」
④ 刃のように鋭いもの。また、威力のあるもの。→刃の験者
は【刃】
〘名〙
① 物を切る道具で、切るために薄く鋭くなっている部分。
※書紀(720)雄略一三年九月(前田本訓)「覚(おもほ)えずして手の誤ちに刃(ハ)を傷つ」
② 人の心を傷つける物事をたとえていう。
※黒い眼と茶色の目(1914)〈徳富蘆花〉 EPILOGUE 「さもないことにも冷笑の刃(ハ)を感じ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報