(読み)ジン

デジタル大辞泉 「刃」の意味・読み・例文・類語

じん【刃】[漢字項目]

常用漢字] [音]ジン(漢) ニン(呉) [訓] やいば
〈ジン〉
は。やいば。「白刃氷刃兵刃
はもの。刀。「凶刃利刃
刀で切り殺す。「自刃
〈は(ば)〉「刃物出刃諸刃もろは
[補説]「刄」は俗字
難読刃傷にんじょう刃毀はこぼ

やい‐ば【刃】

《「や(焼)きば(刃)」の音変化》
焼き入れをして鍛えた刃。また、刃文。
刀剣・刃物などの総称。「を交える」「を向ける」
刃のように鋭く威力のあるもの。
「凡そとぶ鳥をも落とすばかりと、面々に―の験徳を現して」〈謡・調伏曽我〉
[類語]片刃諸刃両刃替え刃刃物打ち物凶刃抜き身白刃抜刀

は【刃】

刃物のふちの薄くて鋭い、物を切ったり削ったりする部分。「刀のがこぼれる」
[類語]片刃諸刃両刃替え刃やいば刃物打ち物凶刃

じん【刃】

やいば。はもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「刃」の意味・読み・例文・類語

やい‐ば【刃】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「やきば(焼刃)」の変化した語 )
  2. 刀剣類の焼き入れをした刃。また、刃の上にある波紋状の模様。〔伊呂波字類抄(鎌倉)〕
    1. [初出の実例]「進退ここにきはまりて、御劔の刃の乱るる心なりけり」(出典:大観本謡曲・小鍛冶(1537頃))
  3. 刀剣、刃物の総称。
    1. [初出の実例]「復操斧持柄、授将其刃(ヤイバ)曰」(出典太平記(14C後)二二)
  4. 刀剣などを手にしての戦いの意で、戦乱をいう。
    1. [初出の実例]「討死するも武士の習ひといへど情ない、十八年の春秋を刃の中に人と成り」(出典:浄瑠璃・絵本太功記(1799)十日)
  5. 刃のように鋭いもの。また、威力のあるもの。→刃の験者

は【刃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物を切る道具で、切るために薄く鋭くなっている部分。
    1. [初出の実例]「覚(おもほ)えずして手の誤ちに刃(ハ)を傷つ」(出典:日本書紀(720)雄略一三年九月(前田本訓))
  3. 人の心を傷つける物事をたとえていう。
    1. [初出の実例]「さもないことにも冷笑の刃(ハ)感じ」(出典:黒い眼と茶色の目(1914)〈徳富蘆花〉 EPILOGUE )

じん【刃】

  1. 〘 名詞 〙 やいば。また、はもの。は。
    1. [初出の実例]「嘗て僕をして兇悪の刃(ジン)を用いしめた殺人の獄は」(出典:塔(1946)〈福永武彦〉)
    2. [その他の文献]〔礼記‐曲礼上〕

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普及版 字通 「刃」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

(旧字)
3画

[字音] ジン
[字訓] は・はもの・やいば

[説文解字]

[字形] 象形
刀の刃部に光のあることを示す字。〔説文〕四下に「刀堅きなり」とし、「刀にるの形に象る」という。字を指事とする説もあるが、指事は場所的な関係の表示を主とする。刃の刃光を示す方法は、光や皇の玉光の表現と同じとみてよい。

[訓義]
1. は、はもの、きれもの。
2. やいば、つるぎ、刀刃の器。

[古辞書の訓]
名義抄 ヤキバ 〔字鏡集〕 カフル・ツルキ・ヤキバ・カタナ・ハ・イタム

[部首]
〔説文〕に・劒の二字を属する。(そう)四下は「傷なり」とあって、創の初文。刀創の部分を、両傍点によって示す。

[声系]
〔説文〕に声として・仞・(忍)・など十字を収める。の声義を用いるものはほとんどない。

[熟語]
刃下刃撃刃創・刃物・刃
[下接語]
握刃・懐刃・揮刃・狂刃・玉刃・交刃・矢刃・刺刃・執刃・尺刃・接刃・操刃・大刃・長刃・直刃・挺刃・刀刃・白刃・伏刃・兵刃・刃・鋒刃・冶刃・遊刃・履刃・両刃

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