福島県の南西端、群馬・新潟両県境近くにあり、東北地方では最高峰で円錐形火山。日光国立公園に属する。山頂部に径約八〇〇メートルの火口があり、火口壁には三角点(標高二三四六メートル)のある
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「燧岳(ひうちだけ)」ともいう。福島県南西部、南会津(みなみあいづ)郡檜枝岐村(ひのえまたむら)にある山で、東北以北の最高峰。群馬県境にある尾瀬沼(おぜぬま)の北にそびえる。古生層や花崗(かこう)岩類を基盤とし、その上に第四紀以降噴出した安山岩質溶岩がのる。山頂は柴安嵓(しばやすぐら)(2356メートル)、俎嵓(まないたぐら)(2346メートル)、ミノブサ岳、赤ナグレ岳の4峰からなり、そのほぼ中央に円錐(えんすい)形の中央火口丘御池(みいけ)岳がある。尾瀬沼や尾瀬ヶ原は、燧ヶ岳の溶岩流が只見川(ただみがわ)上流をせき止めてつくったものである。山腹、山麓(さんろく)の緩斜面には、豊富な残雪の影響で田代(たしろ)とよばれる湿原が無数に散在している。登山道も整備されている。長く日光国立公園の主要部の一つであったが、2007年(平成19)8月に、尾瀬地区が日光国立公園から分離して、新たに尾瀬国立公園が成立した際に、尾瀬国立公園域に入った。
[中村嘉男]
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…1960年特別天然記念物に指定された。湿原は至仏山,大白沢山,景鶴山,燧(ひうち)ヶ岳など標高2000m級の山々に囲まれて細長い三角形をしており,標高は1400m内外で,原を貫流する沼尻(ぬしり)川,只見川,ヨッピ川などの河川により東から下田代,中田代,上田代,背中アブリ田代などに分断されている。尾瀬沼から流れてきた沼尻川と,原を北東に流れるヨッピ川は合流して只見川となり,原の北東端で平滑(ひらなめ)ノ滝および三条ノ滝となって落下し,北流する。…
※「燧ヶ岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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