片白(読み)カタハク

デジタル大辞泉 「片白」の意味・読み・例文・類語

かた‐はく【片白】

白米黒麹くろこうじとで醸造した酒。江戸時代に造られた濁り酒一つで、諸白もろはくより品質が劣る。
「酒はいいのがあるかの。しかし諸白ではなくて、―にはこまる」〈滑・膝栗毛・五〉

かた‐しろ【片白】

全体の中の一部分だけが白いこと。また、そのもの。
馬の前足つめの一つだけが白いもの。二つとも白いものを一足白いっそくじろという。

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精選版 日本国語大辞典 「片白」の意味・読み・例文・類語

かた‐じろ【片白】

〘名〙
① 全体の中の一部分だけが白いこと。また、そのもの。
② 馬の前足の爪が一方だけ白いもの。二つとも白いものを一足白(いっそくじろ)という。
③ =かたしろぐさ(片白草)〔文明本節用集(室町中)〕

かた‐はく【片白】

〘名〙 濁酒一種。白米と黒麹(くろこうじ)(=青いかびのはえた麹)とで醸造した酒。諸白(もろはく)よりも安い
滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)一二「サアここへお出なさってひとつあがりませぬか。しかし此片白(カタハク)はのめん夏のむしだ」

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飲み物がわかる辞典 「片白」の解説

かたはく【片白】


古く行われた日本酒製法で、麹米(蒸して麹菌を培養し麹をつくる米)には精白しない玄米を、掛け米(蒸して麹や酒母とともに発酵させてもろみをつくる米)には精白した米を用いること。またこの製法でつくった酒。掛け米にも精白米を用いる諸白が知られるようになると、これより下級のものとされた。⇒諸白

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動植物名よみかた辞典 普及版 「片白」の解説

片白 (カタジロ)

植物ドクダミ科の多年草,園芸植物,薬用植物ハンゲショウの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の片白の言及

【冑∥兜】より

…とくに星のいちじるしく大きいものを厳星(いがぼし)といっている。そのほかには片白(かたしろ),二方白(にほうじろ),四方白(しほうじろ)などがある。それらは急こう配の円形鉢の頂辺に丸く孔をあけ,そのまわりに葵葉座(あおいばざ)と菊座,玉縁(たまべり)をつけて八幡座(はちまんざ)を設ける。…

※「片白」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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