牛島憲之(読み)ウシジマ ノリユキ

20世紀日本人名事典 「牛島憲之」の解説

牛島 憲之
ウシジマ ノリユキ

昭和・平成期の洋画家 東京芸術大学名誉教授。



生年
明治33(1900)年8月29日

没年
平成9(1997)年9月16日

出生地
熊本県熊本市二本木町

学歴〔年〕
東京美術学校西洋画科〔昭和2年〕卒

主な受賞名〔年〕
芸術選奨文部大臣賞〔昭和44年〕「回顧展の成果」,熊本県文化功労者〔昭和46年〕,文化功労者〔昭和57年〕,勲三等瑞宝章〔昭和57年〕,文化勲章〔昭和58年〕

経歴
小学生の時画家を志す。旧制熊本中時代は短歌、柔・剣道写生などで過ごす。美校時代は藤間流舞踊に凝る。昭和2年同級生の猪熊弦一郎、荻須高徳らと上杜会を結成。同年「芝居・赤坂並木の段」が帝展初入選。5年同舟舎洋画研究所に入門。17年創元会会員。21年「炎昼」で日展特選。24年創元会を退会し、須田寿らと一般公募展をしない独自の画家グループ・立軌会を結成し活動。29年東京芸術大学講師、34年助教授、40年教授、43年退官。56年芸術院会員。58年には文化勲章を受賞した。鐘紡形や螺旋形を参団した写生画を描き、作品に「水郷」「水辺」「切られた岩」「灯台」「煙突」「早春」「午後」「タンクの道」など、作品集に「牛島憲之画集」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「牛島憲之」の意味・わかりやすい解説

牛島憲之
うしじまのりゆき
(1900―1997)

洋画家。熊本市生まれ。1919年(大正8)上京し、葵橋(あおいばし)洋画研究所に学び、1927年(昭和2)東京美術学校西洋画科を卒業し、同校研究科へ進む。同年第8回帝展に初入選。1946年(昭和21)第2回日展で特選となる。1949年立軌会(りゅうきかい)結成に参加し、日展への出品をやめる。1953年サン・パウロ・ビエンナーレ展に出品、翌年東京芸術大学の講師となり、1968年教授として定年退職する。翌年芸術選奨文部大臣賞。1978年京都国立近代美術館ほかで「牛島憲之の芸術」展が開かれる。自然の詩情と悠久感あふれる風景画で知られ、1981年日本芸術院会員、1982年文化功労者となる。1983年文化勲章受章

[小倉忠夫・柳沢秀行]

『『牛島憲之素描集』(1975・求龍堂)』『『牛島憲之画集』(1978・日本経済新聞社)』『『牛島憲之素描集』(1981・朝日新聞社)』『『牛島憲之』(1993・日本経済新聞社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「牛島憲之」の意味・わかりやすい解説

牛島憲之
うしじまのりゆき

[生]1900.8.29. 熊本
[没]1997.9.16. 東京
洋画家。大地主の家に生れ,幼少の頃から画家を志す。 1927年東京美術学校 (現・東京芸術大学) 西洋画科を卒業,同年,弥次喜多道中双六をテーマにした『赤坂並木の段』で帝展に初入選した。東光会,主線美術協会,創元会にそれぞれ会員として参加,第2次世界大戦後の 46年『炎昼』で日展の特選を受賞したが,その後は日展と離れ,49年須田寿と展覧会にこだわらない立軌会を結成。権威や名誉に翻弄されることを嫌い,戦時中もつとめて勇ましい戦争画は描かなかった。自然や橋,水門などおもに水辺の風景を,薄い色を何層にも塗重ねた微妙な色使いで描き,独特の叙情的な世界を展開した。日本国際美術展,サンパウロ・ビエンナーレ展,国際形象展などに出品し,69年芸術選奨文部大臣賞を受賞。 65~68年東京芸術大学教授。 81年芸術院会員。 83年文化勲章を受章。 2000年,東京・府中市立美術館内に遺作約 100点を収蔵する記念館が完成した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「牛島憲之」の解説

牛島憲之 うしじま-のりゆき

1900-1997 昭和-平成時代の洋画家。
明治33年8月29日生まれ。昭和8年帝展に初入選。17年創元会会員。21年日展で特選,24年立軌(りゅうき)会を結成。40年東京芸大教授。44年芸術選奨。56年芸術院会員となる。58年文化勲章。繊細な描写力で,独自の心象風景をえがく。平成9年9月16日死去。97歳。熊本県出身。東京美術学校(現東京芸大)卒。作品に「水辺」「倉庫」など。

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367日誕生日大事典 「牛島憲之」の解説

牛島 憲之 (うしじま のりゆき)

生年月日:1900年8月29日
昭和時代;平成時代の洋画家。東京芸術大学教授
1997年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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