日本歴史地名大系 「玄中寺」の解説
玄中寺
げんちゆうじ
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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中国,山西省交城県の標高900mにある寺。文水に面した石壁山の山号をもつ玄中寺は,中国でもっとも由緒ある浄土教の寺院である。北魏の曇鸞(どんらん)が,浄土教へ回心して,晩年にこの寺に住した。のちに涅槃経を修めていた道綽(どうしやく)が,609年(隋の大業5)48歳のときにこの寺にきて曇鸞の碑文をよみ,浄土教に帰したとされる。さらに善導が,この寺に道綽を訪ねて教えを請うた。つまり浄土宗の三祖ゆかりの仏跡として知られる。唐代には隆盛をきわめ,795年(貞元11)には甘露義壇が設けられ,長安の霊感壇,洛陽の会善壇と並んで天下三戒壇の一つとなった。大雄宝殿の前庭に〈石壁山鉄弥勒像頌碑〉と〈唐石壁禅寺甘露義壇碑〉の二つの唐碑があり,七仏殿には印相の異なる7体の阿弥陀如来像が並び,また日本から贈られた曇鸞・道綽・善導三師の画像をまつる三祖堂もある。
執筆者:礪波 護
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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