珠海(読み)シュカイ

デジタル大辞泉 「珠海」の意味・読み・例文・類語

しゅかい【珠海】

中国広東省南部の市。経済特別区の一。珠江河口部に位置し、マカオに隣接する。チューハイ。ジュハイ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「珠海」の意味・わかりやすい解説

珠海
しゅかい / チューハイ

中国、広東(カントン)省南部の地級市。中国の5経済特区の一つが置かれる。省中央部の珠江(しゅこう)デルタ南端に位置し、中心部の香洲(こうしゅう)区のほか斗門(ともん)区、金湾(きんわん)区を管轄する。1953年中山(ちゅうざん)県などの一部を割いて珠海県が置かれ、1979年省直轄市となり、1980年マカオに隣接する半月形の臨海地域が経済特区に指定され、地方立法権が与えられた。市域にはデルタ部の陸地のほか、沖合いの147島が含まれ、陸地面積は1711.24平方キロメートル、海面を含めると7555平方キロメートルに達する。人口112万4500(2015)。

 農業は水稲サトウキビを主とし、ジュートラッカセイ、タバコ、バナナ、レイシライチ)、野菜類を産し、沖合いの万山(ばんざん)漁場は本省最大の好漁場で、沿岸の多数の漁村からは水産物が多く移出される。特区指定以来、電子、建材、紡織、食品などの輸出向け企業が立地しているが、深圳(しんせん)に比べると立ち後れていることは否めない。ただ建設用資材としての土石類が香港(ホンコン)、マカオに輸送され、また沖合いの海底には豊富な天然ガス産出がみられる。交通面では高速道路虎門(こもん)経由広州(こうしゅう)と深圳に通じており、貨物輸送を主とする広珠線が広州、仏山(ぶつざん)、江門(こうもん)を貫通する。広州とは空路も通じる。

[河野通博・編集部 2017年1月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「珠海」の意味・わかりやすい解説

珠海 (しゅかい)
Zhūhǎi

中国,広東省南部の港湾都市で,マカオに隣接した大陸側にある。深圳と同様,1979年7月に外資導入のために作られた経済特区。特区が15.2km2,他に2県あり,珠海市の総面積は1583km2。市区人口83万(2000)。経済成長にともない人口増加も著しく,人口は1985年43万であったが,94年にはほぼ100万人に達した。深圳ではほぼ農村が消滅しつつあるのに対し,珠海は二つの県に広大な農村が存在している。
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百科事典マイペディア 「珠海」の意味・わかりやすい解説

珠海【しゅかい】

中国,広東省南部の重要港湾都市。珠江河口西岸に位置し,マカオに隣接する。1979年珠海県を市に改組,1980年経済特区に指定された。市域は大陸側と沿岸の112の島々からなる。広州,中山両市と道路が通じ,広州,深【せん】(しんせん),香港とは海上航路が通じている。機械・繊維・缶詰食品・電子などの工業が発達し,水産業も盛ん。106万人(2014)。
→関連項目深【せん】

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