瓶原(読み)ミカノハラ

デジタル大辞泉 「瓶原」の意味・読み・例文・類語

みかのはら【瓶原】

京都府南部、木津川加茂町の地名木津川の北岸に位置し、元明天皇離宮聖武天皇恭仁くにが置かれた地。「甕原」「三日原」などとも書いた。

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精選版 日本国語大辞典 「瓶原」の意味・読み・例文・類語

みかのはら【瓶原】

  1. 京都府相楽郡加茂町北部の地名。旧瓶原村。木津川の北岸にあり、元明天皇以後の離宮の所在地で、聖武天皇の恭仁(くに)京が置かれた所。三香の原。甕原。御鹿原。
    1. [初出の実例]「三日原(みかのはら)布当(ふたぎ)野辺を清みこそ大宮所定めけらしも」(出典万葉集(8C後)六・一〇五一)

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日本歴史地名大系 「瓶原」の解説

瓶原
みかのはら

加茂町の木津きづ川北側の平野部を中心にした一帯の称。原・三日原・三香原・甕原・御鹿原などとも記す。平城京の北東部に位置し、木津川を望む野として和銅年間(七〇八―七一五)には離宮が設けられ、天皇がしばしば行幸している(続日本紀)。聖武天皇は一時期ここに都し、恭仁くに京を営んだが、「万葉集」巻一七には恭仁京を「三香原新都」と記している。また奈良から鹿背山かせやま東側の地を通り、木津川沿いに東行すれば伊賀から東海地方に出、瓶原を通り東北行すれば近江信楽しがらき(現滋賀県甲賀郡信楽町)を経て北陸に赴く交通の要衝でもあった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「瓶原」の意味・わかりやすい解説

瓶原
みかのはら

京都府南東部、木津川(きづがわ)市の東部にあたる旧加茂(かも)町の木津川北岸の地区。740年(天平12)に聖武(しょうむ)天皇の恭仁(くに)京が造営されたが、わずか4年で廃都となり、その跡に山城(やましろ)国分寺が建立された。現在、金堂と塔の礎石が残っていて、国指定史跡となっている。また東の銭司(ぜず)には、和同開珎(わどうかいちん)の鋳銭所跡がある。

織田武雄


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