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甚句 じんく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

甚句
じんく

日本民謡の種目名称。7・7・7・5の詩型と類似した旋律の型を有しているが,各地で独自の歌を形づくっている。労作民謡であるが,三味線に乗せた騒ぎ歌として,宴席で歌われることが多い。分布は,新潟県が多く,米山甚句佐渡甚句などが知られる。甚句には土地の名をかぶせた曲名が多く,新潟以外にも,秋田,相馬,木更津,名古屋などが有名,そのほか,相撲甚句や労作民謡的な草刈り甚句などもある。甚句は「甚九」とも書き,越後石池の浦の甚九という男が大坂で歌いはじめたという伝説がある。他方では,土地の名をかぶせた曲目が多いことから,ローカル色の強い地方歌謡をさして「地ン句」と呼んだといわれるが,明確な名称に対する定説はない。新庄節,山中節などと呼ばれる甚句もある。

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百科事典マイペディアの解説

甚句【じんく】

日本民謡の曲種。甚九とも。詩型はふつう七七七五調の26文字。宴席の三味線伴奏による騒ぎ歌の型が多いが,盆踊などに歌う甚句もある。全国各地に広く分布するが,東日本に多く,秋田甚句米山甚句,新潟甚句などがある。
→関連項目山中節

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大辞林 第三版の解説

じんく【甚句】

民謡の一群。参加者が順番に唄い踊る形式の酒盛り唄や盆踊り唄。七・七・七・五の詞型で節はさまざま。沢内甚句・秋田甚句など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

甚句
じんく

日本民謡分類上の一種目であり、また曲名そのものにもなっている。「甚句」という文字は当て字で、文字そのものにはまったく意味はなく、必要なのは「ジンク」ということばである。「ジンク」ということばについては、(1)「地ン句」のことで、土地土地で歌われている唄(うた)、(2)「神句」の意で、神に供える唄、(3)「海老屋(えびや)甚九」で、海老屋の甚九郎が歌い始めたのによる、といった諸説もあるが、そうではない。まだ定説にはなっていないが、有力なものを掲げておく。
 東北地方にはいまなお「ジンコ」という名の唄が各地に点々と残っている。東北弁では、名詞の後に「コ」の字を加えたがる傾向が強いから、「ジンコ」は「ジン」+「コ」ということになり、問題になるのは「ジン」ということばだけということになる。ところで「甚句」ということばは、「音頭と甚句」というぐあいに対句として用いられることが多い。この対句は演唱形式がそのまま曲名になったもので、「音頭」は、1人の人が唄の一部を独唱すると、他の人々が他の部分を声をそろえて斉唱する演唱形式の唄である。これに対して「甚句」すなわち「ジン」は次のように考えられる。秋田、岩手、青森3県の山間部の古風な盆踊りをみると、歌垣(うたがき)的な性格を色濃く残している。すなわち、男女が手拭(てぬぐい)でほおかぶりをし、輪になって踊りながら、そのうちの1人が思う相手に問いかけるようにして歌うと、異性がこれをうけて返歌を歌うという形式である。こうして一晩中踊りが続いていくだけに、「ジン」は「順番」の「順」ではないかと考察される。これに「コ」の字を加えて「順コ」、それが「ジンコ」となまり、江戸時代末期に「甚句」の文字があてられて、以後急激に東日本に広まっていったとするものである。その「甚句」は、七七七五調26音を基本とする詞型で、曲は旧南部領(青森県東部と岩手県の大半)の『ナニャトヤラ』を母体にして派生、『秋田甚句』や『越後(えちご)甚句』が中心になって、その多様化したものが東日本一円に広まり、盆踊り唄、酒盛り唄にと利用されている。そして新潟県糸魚川(いといがわ)から長野県松本、さらに静岡県浜松を結ぶ線以東に集中し、西日本では飛び火のような感じで存在するにとどまっている。[竹内 勉]

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