米山甚句(読み)ヨネヤマジンク

デジタル大辞泉 「米山甚句」の意味・読み・例文・類語

よねやま‐じんく【米山甚句】

新潟県柏崎直江津地方の民謡。明治中期から座敷歌として広く流行した。

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精選版 日本国語大辞典 「米山甚句」の意味・読み・例文・類語

よねやま‐じんく【米山甚句】

  1. 〘 名詞 〙 新潟県の代表的民謡。柏崎・直江津付近を中心に歌われる。江戸時代から流行し、日清戦争後にも東京の花柳界で大流行した。遊里情緒の濃い御座敷歌。歌詞に出てくる米山は山の名。一説に、越後国刈羽郡荒浜村(新潟県柏崎市荒浜)出身の米山という力士が歌い出したところからという。米山。
    1. [初出の実例]「此見得米山甚句(ヨネヤマジンク)にて幕明く」(出典歌舞伎繰返開花婦見月三人片輪)(1874)二幕)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「米山甚句」の意味・わかりやすい解説

米山甚句
よねやまじんく

新潟県の民謡。米山は柏崎(かしわざき)市と上越(じょうえつ)市との境にある霊山で、山頂に薬師堂があり、その米山薬師をたたえ仰ぐ歌詞を元唄(もとうた)としている。米山の山開きに唄い出されたというが、はっきりしない。ほかに刈羽郡荒浜村(現柏崎市)出身の米山という力士が江戸でこの唄を歌い出したためこの名があるともいわれている。いずれにしても江戸時代から柏崎地方や直江津(なおえつ)地方などで流行し、明治以降は県内各地の花柳界や、東京の花柳界でもお座敷唄としてよく歌われていた。曲の形式は上の句下の句が同じという単純なものだが、節は細かく素人(しろうと)にも玄人(くろうと)にも受け、全国的に根強い人気を保っている。

斎藤 明]

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改訂新版 世界大百科事典 「米山甚句」の意味・わかりやすい解説

米山甚句 (よねやまじんく)

新潟県柏崎市に伝わる座敷歌で,新潟県に数多い甚句の一つ。〈行こか参らんしょか 米山薬師 ひとつゃ身のため ササ主(ぬし)のため〉が代表的歌詞。米山は柏崎市の南西にある霊山で,山頂にまつられる米山薬師は雨乞い霊験があるとして信仰を集めた。その山開きの日にうたわれたともいうが,一説には刈羽(かりわ)郡荒浜村(現,柏崎市荒浜)出身の〈米山〉という力士が江戸でこの甚句をうたっていたのが有名になって《米山甚句》と呼ばれたともいう。明治以降,座敷歌として東京の花柳界で流行した。歌詞も他の民謡と共通した類型的なものが多い。
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百科事典マイペディア 「米山甚句」の意味・わかりやすい解説

米山甚句【よねやまじんく】

新潟県の代表的民謡。柏崎を中心に歌い始められ,明治以後全国に広まった座敷歌で,甚句の傑作。曲名は歌詞中の米山薬師から出たとも,米山という力士が歌い始めたゆえともいう。

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