石川県の山中温泉地方で歌われてきた民謡。もとは山中温泉周辺の農村で歌われていた盆踊りの「甚句(じんく)」であった。七七七五の下の句の七五をそのまま繰り返す早間(はやま)の唄(うた)であったのが、いつのまにか酒盛り唄となって花柳界に入り、下の句の繰り返しがなくなって、早間の騒ぎ唄に変化した。ところが、米八と名のって山中温泉のお座敷へ出た芸者が、義太夫(ぎだゆう)を下地にして、この早間の唄を今日のようなのんびりした節回しに変えたという。近年『鉄砲猪(しし)』とよばれる早間の騒ぎ唄も歌われている。温泉地の民謡としては、群馬県の『草津節』とともによく知られている。
[斎藤 明]
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