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田舟 たぶね

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

田舟
たぶね

弥生時代後期に湿田や土を運ぶために用いられた運搬具の一つ。小さな丸木舟の形をした長さ約 1m,幅約 40cm,深さ約 22cmのものと,槽 (ふね) と呼ばれる長方形にくりぬいたものの前後に棒状突起を4個つけたものとがある。大きさは長さ約 0.7~1.3m,幅約 50cm,深さ約 20cmで,平底取手をつけて運びやすくしてある。

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デジタル大辞泉の解説

た‐ぶね【田舟】

深田に浮かべて、肥料や刈り取った稲を押し運ぶのに用いる小舟。弥生時代から用いられている。
水郷や沼などで、乗用農作物の運搬などに使用される平底の簡単な作りの舟。

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百科事典マイペディアの解説

田舟【たぶね】

田植や稲刈のとき,水田で使用する平底の小さい舟。人は乗らず,苗や稲束の運搬に用いる。弥生(やよい)時代の登呂遺跡山木遺跡から田舟と推定される木製品が出土している。
→関連項目農具

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世界大百科事典 第2版の解説

たぶね【田舟】

稲刈りのときにも水を落とすことのできないような田(沼田)で,刈り取った稲が水にぬれないように乗せるもの。底の浅い箱のような形をしているが,稲を乗せてあぜまで運ぶのに便利なように,その底は箱の長手方向に少し湾曲させてつくられている。沼田の多い地方には必ずといってよいほどあったもので,現代になってもそのような地方では,かつての木製のものにかわって合成樹脂製のものが使われている。これの使用は古くまでさかのぼり,たとえば登呂の遺跡からも出土している。

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大辞林 第三版の解説

たぶね【田舟】

水田で、稲や肥料などを運ぶのに用いる舟形の乗り物。
水郷などで、農作物の運搬や日常の移動に用いる、底の浅い小舟。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

田舟
たぶね

水稲作に用いる農具の一種。湿田で刈り取った稲を数把のせて畔(あぜ)に運んだり、苗代からとった苗を運んだり、あるいは水田の代掻(しろか)きに使う。苗舟(なえぶね)、代掻き田舟ともよぶ。いずれも綱をつけて引くか、把手(とって)をつけて押して使用する小形のもので、木製である。
 古代の田舟には2種ある。一つは舟形につくられた小形の丸木舟で、弥生(やよい)時代のものが静岡県山木(やまき)遺跡から発見されている。その二は平面隅丸(すみまる)長方形の大きな槽(ふね)の前後に2個ずつ棒状の把手をつくり出したもので、弥生時代のものが山木遺跡や静岡市曲金(まがりかね)遺跡から出土しており、古墳時代の類例断片が大阪府八尾(やお)市中田遺跡にみられる。容量は大きく、湿田に浮かべて滑らせるにもよく、把手を握って担うこともできる。形状が伊勢(いせ)の皇大(こうたい)神宮で八咫鏡(やたのかがみ)を奉安する御樋代(みひしろ)を納める御船代(みふなしろ)によく似ていることが指摘されている。[木下 忠・小川直之]

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