(読み)ヒ

デジタル大辞泉 「痺」の意味・読み・例文・類語

ひ【痺】[漢字項目]

[音]ヒ(呉)(漢) [訓]しびれる しびれ
しびれる。しびれ。「麻痺

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「痺」の意味・読み・例文・類語

しびり【痺】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙しびれ(痺)〔天正本節用集(1590)〕
    1. [初出の実例]「これはしびりがおこって立居さへなりませぬ」(出典:虎明本狂言・痺(室町末‐近世初))
  2. [ 2 ] 狂言曲名。各流。太郎冠者仮病のしびり口実に主の使いの依頼をことわる。それを見抜いた主が、伯父(おじ)のごちそうに呼ばれたというと、太郎冠者は治ったと言い、主がもう一度用を頼むと、またしびりがおこったとすわりこむ。

しびれ【痺】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「しびれる(痺)」の連用形名詞化 ) 感覚異常の一つ神経系あるいは循環系障害により、運動神経、または知覚神経が侵された状態となり、運動麻痺知覚麻痺を起こす。しびり。〔和玉篇(15C後)〕
    1. [初出の実例]「しびれ来る迄かしこまりけり 御手届く花のはしごに肩献(あげ)て」(出典:俳諧・二葉の松(1690))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「痺」の読み・字形・画数・意味


13画

(異体字)
13画

[字音]
[字訓] しびれる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(卑)(ひ)。字はまたに作り、(ひ)声。〔説文七下に「(しふ)なり」とあり、陰湿による神経感覚の痲痺をいう。〔素問〕に、すべて病因に風・寒・の三気があるとし、〔史記鵲伝〕に「痺」の名がみえている。

[訓義]
1. しびれる、しびれるやまい、リウマチス。
2. 矢の名。
3. (ひ)と通じ、低い。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕痺 脚の冷ゆるなり。比單(留)牟(ひるむ) 〔和名抄痿痺 比留无夜末比(ひるむやまひ) 〔名義抄〕痺 コヒ・ヒルム・ヒヒラク・ミジカシ/痿痺 ヒルムヤマヒ 〔立〕痺 ウルフ・ヒルム・ミジカシ・ヤマヒ・ウルム

[熟語]
痺医・痺下・痺矢・痺民
[下接語]
痿痺・頑痺・坐痺・手痺・腎痺・足痺・体痺・風痺・麻痺・痲痺・冷痺

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「痺」の意味・わかりやすい解説

痺 (しびれ)

一種の異常感覚。長時間の正座などによって,下肢に循環障害を生じ,運動・感覚ともに麻痺して〈しびれ〉ることは,よく経験される。しびれは日常的によくみられる現象であるが,その内容はきわめて複雑で多義にわたり,これに該当する単一の外国語はない。しびれは次のように大別される。(1)異常感覚 自発的に,あるいは外的刺激に対して,〈びりびり〉とか〈じんじん〉とかさまざまな異常感覚を感じる。(2)感覚鈍麻 触・痛・温・冷覚などの表在感覚が鈍麻または消失する。(3)運動麻痺 急性または亜急性の運動麻痺,筋脱力。これら(1)~(3)は共存することも多い。しびれは神経系のさまざまな部位の病変によって生じ,その原因もまた種々である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android