デジタル大辞泉
「癜風」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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でんぷう【癜風 Pityriasis Versicolor】
[どんな病気か]
もともと人の皮膚に常在しているマラセチアと呼ばれる真菌(しんきん)(かびの仲間)が、何かのきっかけで異常に増殖することでおこります。このようなかびの増殖に都合のよい梅雨(つゆ)から夏にかけて、よく汗をかく若い人にみられます。
[症状]
おもに躯幹(くかん)(胴体(どうたい))に、硬貨大までの大きさの淡い褐色の斑点(はんてん)がたくさんでき、こそぐと細かい皮膚片がとれます。時間がたつとその部分の皮膚の色がぬけ、白い斑点として長く残ることがあります。
[治療]
皮膚の表面をこそぎとり、顕微鏡で検査して原因となる真菌の存在を証明します。
治療にはおもに外用抗真菌薬が使われます。約2~3週間の治療で一応軽快しますが、少数ながら、菌そのものが常在菌として残るため、その後のケアを怠ると再発することがよくあります。そのため、皮膚をいつも清潔に、乾燥した状態に保つようにします。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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癜風(真菌症)
(2)癜風(pityriasis versicolor)
病原菌
癜風菌(Malassezia furfur)で,毛孔・皮表の常在菌である.好脂性の菌で,直接鏡検で太く短い短冊状の仮性菌糸と胞子とをみる.脂質含有培地で培養される.
臨床症状
米粒大から爪甲大までの境界明瞭な円〜楕円形の微細な鱗屑を伴う斑が,主として成人の上胸・上背・腋窩を侵す.淡褐色の黒色癜風と逆に脱色する白色癜風とがある.しばしば融合,不規則局面をつくる.皮膚以外は侵さない.
診断・治療
直接鏡検で菌要素を確認する.抗真菌薬の外用(イミダゾール系など),ときに内服(イトラコナゾール)で治療する.皮膚の清潔,制汗を心がける.マラセチア毛包炎(Malassezia folliculitis)癜風菌によって皮脂が分解され,面皰を形成,炎症反応を惹起して痤瘡様の毛包炎をきたす.青壮年男子の前胸・肩・背・上腕伸側に好発,高温多湿・副腎皮質ステロイド薬外用などが誘因.[大塚藤男]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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癜風【でんぷう】
なまずともいう。皮膚真菌症の一種。癜風菌によって起こる。胸,背などに米粒大から爪(つめ)の甲大ぐらいまでの斑点が多数発生し,病変部にわずかな落屑(らくせつ)を認める。斑が白いものを白色癜風(白なまず),褐色のものを黒色癜風(黒なまず)という。自覚症状はほとんどない。治療には抗真菌剤の塗布や太陽灯照射など。
→関連項目真菌症
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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癜風
でんぷう
癜風菌という一種のカビ(真菌)の寄生によっておこる皮膚病で、俗に黒なまずという。青年や中年の男女の胸や背部に好発する。エンドウ豆大から指頭大の、多くは淡褐色で、皮膚面から盛り上がらない円形の斑(はん)を生じ、これが連なって不規則形、地図状の病変をつくる。色の黒い人では病変部がかえって淡くみえることがある。病変の表面をこすると米糠(こめぬか)様の落屑(らくせつ)を認め、その中に顕微鏡検査によって癜風菌が証明される。治療としては種々の抗真菌外用剤が有効であるが、再発することが多く、ことに夏季に増悪する。
[野波英一郎]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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癜風
でんぷう
pityriasis versicolor
いわゆる黒なまずである。癜風菌感染により,米粒大から爪甲大ぐらいまでの円形あるいは楕円形の斑状皮疹が躯幹 (特に上胸,上背など) に多発し,ときに融合局面を形成する。色調は淡褐色であるが,軽度に脱色するものもある。わずかに扁平に隆起し,爪などでこすると容易に鱗屑が剥離する。自覚症状はない。青壮年者に多く,夏季に悪化する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の癜風の言及
【皮膚真菌症】より
…真菌が主として表皮の最表層ともいえる角質層に感染する浅在性皮膚真菌症と,真皮内に菌が侵入し増殖して発症する深在性皮膚真菌症に二大別することができる。日本では前者が圧倒的に頻度が高く,皮膚糸状菌症,皮膚カンジダ症,癜風(でんぷう)が代表的である。後者にはスポロトリコーシス,クロモミコーシス,皮膚アスペルギルス症,皮膚クリプトコックス症などがある。…
※「癜風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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