二酸化窒素を含む濃硝酸溶液。空気中で黄褐色の二酸化窒素NO2の気体を発生するのでこの名がある。濃硝酸に二酸化窒素を加圧作用させるか、濃硝酸に有機還元剤を作用させてつくる。赤褐色の透明な液体。NO2含量7.5%の比重1.526(20℃)、12.7%の比重1.544(20℃)。酸化力がきわめて強く、ほとんどの金属を腐食し、木材、綿などをはじめとして多くの有機物と接触すると燃焼する。硫化水素、ヨウ化水素は発火して酸化され、塩素酸カリウムは過塩素酸塩となる。酸化剤やニトロ化剤として有機合成、医薬品、染料の合成に使われる。ロケットの推進薬となる。また、硝酸ストロンチウムの発煙硝酸に対する溶解度が小さいことから、カルシウムとストロンチウムの分離定量に利用される。皮膚、眼(め)、粘膜などに触れると激しいやけどを生じる。
[守永健一・中原勝儼]
二酸化窒素NO2を多量に含む濃硝酸.濃硝酸にホルムアルデヒドなどの有機性還元剤を少量加えてつくるか,NO2を加圧溶解してつくる.密度1.48~1.54 g cm-3.赤褐色の透明な液体.86% 以上の硝酸HNO3を含む.酸化作用のいちじるしい赤色のものを赤色発煙硝酸,ニトロ化する能力の強い高濃度の硝酸を白色発煙硝酸とよぶ.酸化剤,ニトロ化剤として有機合成,医薬品,染料合成に用いる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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…反応式は次のとおりである。濃硝酸にNO2がさらに溶け込んでいるものを発煙硝酸という。
[用途]
硝酸は強酸であり,酸化剤として用いられるほか,硝酸塩(工業用硝安など),ニトロ化合物(ニトログリセリン,ニトロセルロースなど),染料中間物,合成繊維(アクリロニトリル系),火薬,爆薬の原料,硝酸性窒素を含む窒素肥料または複合肥料の原料,めっき,酸洗用などの用途がある。…
※「発煙硝酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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