登記事務を取り扱う国家機関(官庁)をいう。登記所においては,そこに勤務する職員が登記官として不動産登記法,商業登記法その他の登記に関する法令の定めるところに従い所定の事項を一定の公簿(登記簿)に記載し,これを一般の閲覧に供し,またはその謄本・抄本を交付することによってその内容を公示する。登記事務は,各地の法務局・地方法務局またはその支局・出張所が登記所として取り扱うものとされており,〈登記所〉という名称を有する官署が存在するわけではない(不動産登記法8条,商業登記法1条)。登記所については,おのおの管轄区域が定められていて,原則として,不動産登記においては不動産の所在地,商業登記においては当事者の営業所の所在地を管轄する登記所が当該登記事務を取り扱う権限を有する。そして,この管轄規定に違反する登記の申請は,却下されることとなる(不動産登記法49条,商業登記法24条)が,誤って受理されても,その登記は当然無効である。
→登記
執筆者:坂本 昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
各種の登記の事務を取り扱う国の機関。法務局、地方法務局またはその支局、出張所がこれにあたる。各登記所はその管轄区域が定められており、原則としてその管轄区域内の事柄についてだけ権限をもつ。
[高橋康之]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…なおフランスには1935年以来中央商業登記簿という独特の制度がある。 商業登記簿は登記所に備えられており,商号,未成年者,後見人,支配人,合名会社,合資会社,株式会社,有限会社,外国会社に関する9種がある(商業登記法6条)。商法上の登記でも船舶登記は商業登記簿になされないから商業登記ではない。…
…なお,登記の中では不動産登記が中心的存在であり,国民生活にもっとも密接な関連を有していることから,単に,〈登記〉という場合は不動産登記をさすことが多い。 登記簿には,登記の種類に応じ,不動産登記簿(不動産登記法14~24条ノ2),立木登記簿(〈立木ニ関スル法律〉12~14条),船舶登記簿(船舶登記規則5~6条),工場財団登記簿(工場抵当法9条,18~20条),夫婦財産契約登記簿(非訟事件手続法119条),商業登記簿(商業登記法6条),法人登記簿(非訟事件手続法119条)などがあり,登記所に備え付けられている。登記簿には,原則として,バインダー式帳簿が使用され,一定の表紙および目録とともに登記用紙が編綴される。…
…すなわち,不動産に関する物権の得喪および変更は,不動産登記法の定めるところによりその登記をしなければ,これをもって第三者に対抗することができないものとされ(民法177条),登記は物権変動の効果を第三者に主張するための対抗要件とされている。
[登記所,登記官,登記簿]
登記事務は,一定の国家機関により行われ,これをつかさどる国家機関(官庁)を登記所という。日本においては,法務局,地方法務局またはその支局,出張所が登記所として登記事務をつかさどるものとされており(不動産登記法8条1項),〈登記所〉という名称を有する官庁が存在するわけではない。…
※「登記所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新