登高(読み)トウコウ

デジタル大辞泉 「登高」の意味・読み・例文・類語

とう‐こう〔‐カウ〕【登高】

[名](スル)
高い山などに登ること。
中国で、陰暦9月9日に、やくを払うために、高い山に登って菊酒を飲む風習

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「登高」の意味・読み・例文・類語

とう‐こう ‥カウ【登高】

〘名〙
① 高い所に登ること。
雁列(1955)〈皆吉爽雨〉昭和二八年「灘見ゆと聞けば逸りて登高す」 〔礼記‐曲礼上〕
② (中国漢代に、道士の費長房弟子の桓景に「九月九日に災難があるから、家人とともに赤い袋に茱萸(しゅゆ)を入れて腕に結び、山に登って菊花をうかべた酒を飲め」といって災厄を免れさせたという「続斉諧記」にみえる故事による) 陰暦九月九日に、小高い山に登って頭に茱萸をさし、菊酒を飲んで遊ぶという風習。悪気をさけ、疫病を防ぐとされる。《季・秋》
菅家文草(900頃)五・九日侍宴、群臣献寿「登高望処九陽重、天道人心髪不容」

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普及版 字通 「登高」の読み・字形・画数・意味

【登高】とうこう(かう)

高所に登る。正月人日(七日)、また重陽(九月九日)に登高し故郷を望む古俗があった。〔続斉諧記〕(費)長、桓景に謂ひて曰く、九九日、汝の家中に當(まさ)に災ひるべし。宜しくぎ去り、~絳(かうなう)に(しゆゆ)(かわはじかみ、その実)を(い)れ、~高きに登りて酒を飮むべし。此のひ除くべしと。

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世界大百科事典(旧版)内の登高の言及

【重陽】より

…〈9月9日,きっとお前の家では災いが生じる。家の者たちに茱萸を入れた袋をさげさせ,高いところに登り(登高),菊酒を飲めば,この禍は避けることができる〉。桓景はその言葉に従って家族とともに登高し,夕方,家に帰ると,鶏や牛などが身代りに死んでいた。…

※「登高」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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