毘盧遮那仏(読み)びるしゃなぶつ

日本大百科全書(ニッポニカ)「毘盧遮那仏」の解説

毘盧遮那仏
びるしゃなぶつ

華厳経(けごんきょう)』の教主。毘盧遮那(サンスクリット語のバイローチャナの音写。Vairocana)とは「輝くもの」の意味で、元は太陽の光照のことであったが、のちに教の根源的な仏とされた。盧遮那仏遮那仏ともいい、一切処(へんいっさいしょ)、光明遍照(こうみょうへんじょう)などと漢訳する。この仏は無限の過去から無量無辺の修行を積んで悟りを得た仏(報身(ほうじん))で、釈迦(しゃか)の悟りの境地を仏格化したもの(法身(ほっしん))。その形像は千葉蓮華(せんようれんげ)に座し、右手は施無畏印(せむいいん)、左手を与願印(よがんいん)とする奈良の大仏にみられる。法相(ほっそう)宗では毘盧遮那、盧遮那、釈迦を自性、受用、変化の三身に配釈し、天台宗では法身、報身、応身の三身に配し、毘盧遮那と釈迦の同体を説く。密教では大日如来(だいにちにょらい)である。

[吉田宏晢]

『玉城康四郎著『永遠の世界観・華厳経』(1965・筑摩書房)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「毘盧遮那仏」の解説

毘盧遮那仏
びるしゃなぶつ
Vairocana

「輝くものの子」を意味するサンスクリット語の音写。毘盧舎那仏とも音写し,略して盧舎那仏,遮那,または「びるさな仏」「るさな仏」ともいう。訳して光明遍照,遍一切処。仏陀の智慧の広大無辺なことを象徴し,『華厳経』の本尊。奈良の大仏はその造形で,右手は施無畏印,左手は与願印とされる。法相宗では,盧舎那,釈迦仏を受用,変化二身とし,毘盧舎那仏を自性身として区別する。天台宗では毘盧舎那仏,盧舎那仏,釈迦仏を,それぞれ法身,報身,応身の三身に配して究竟妙境顕現するものを毘盧舎那仏とする。密教ではこの仏陀を大日如来とみなして理智不二の法身であるとする。日本では8世紀以来信仰され,造像されたが遺品はきわめて少い。東大寺大仏 (1692) ,唐招提寺金堂の本尊,福岡戒壇院の本尊が著名である。

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百科事典マイペディア「毘盧遮那仏」の解説

毘盧遮那仏【びるしゃなぶつ】

サンスクリットのバイローチャナVairocanaの音写。《華厳(けごん)経》の本尊で,太陽の意味があり,その光によって仏智の広大無辺を象徴する。蓮華蔵世界の教主で,千葉(せんよう)蓮華に座す。仏像は右手を施無畏(せむい)印,左手を与願印とし,奈良大仏もこの形。密教では大日如来とする。
→関連項目蓮華蔵世界

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デジタル大辞泉「毘盧遮那仏」の解説

びるしゃな‐ぶつ【毘盧遮那仏】

《〈〉Vairocanaの音写。光明遍照と訳す》大乗仏教で、蓮華蔵れんげぞう世界に住し、その身は法界に遍満し、身光・智光の大光明で全宇宙を照らす仏。真言宗では大日如来天台宗では法身仏華厳宗では報身仏をさす。盧舎那仏。遮那仏。毘盧遮那。

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