直道(読み)じきどう

精選版 日本国語大辞典 「直道」の意味・読み・例文・類語

じき‐どう ヂキダウ【直道】

〘名〙 仏語
仏道の悟りに達するのに最も近い道。仏道、涅槃(ねはん)への直接の道。直路
今昔(1120頃か)七「般若経は、此、菩提の直道(ぢきだう)往生の要湏也」
源平盛衰記(14C前)三九「衆生正覚の直道(ジキダウ)即身成仏の要路也」
② 他の力を借りないで、直接に仏の道を知ることのできるもの。すなわち、人間
※大観本謡曲・巴(室町末)「御法功力に、草木国土も、成仏なれば、況んや生ある、直道の弔ひ、かれこれいづれも、頼もしや」

ちょく‐どう ‥ダウ【直道】

〘名〙
① まっすぐな道路。ただじ。直路(ちょくろ)
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「草中に樹をうえ井井として秩序甚だ均し、中に砥の如き直道を開く」 〔北史‐張衡伝〕
② 人間として行なうべき正しい道。正道
※本朝文粋(1060頃)一・菟裘賦〈兼明親王〉「殊恨王風之不競。直道之已湮」 〔論語‐衛霊公〕
③ 自分の信念を曲げないで貫き通すこと。〔論語‐微子〕

すぐ‐みち【直道】

〘名〙 まっすぐな道。まがらない道。間違いのない筋道。また、近道。直路(すぐじ)
太平記(14C後)三八「山を超る直道(スグみち)の有けるより引返して」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「直道」の意味・読み・例文・類語

ひた‐みち【直道/路】

[名・形動ナリ]
まっすぐな道。また、そのようにまっすぐであるさま。
「山河の峰谷おたにに相続ければ、―のこころを取りて」〈常陸風土記
「ただ―の煙とや見し」〈和泉式部集・下〉
いちずであるさま。ひとすじ。ひたすら。
「―なる行ひ」〈宇津保・俊蔭〉

じき‐どう〔ヂキダウ〕【直道】

仏語。
仏道悟りに到達するのに最も近い道。直路じきろ
他の力に頼らないで、直接に仏道を知ることのできる者。人間のこと。

ちょく‐どう〔‐ダウ〕【直道】

まっすぐに通じる道路。
人としてふみ行うべき正しい道。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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