一般に,均一な相が熱力学的な平衡条件(温度,圧力,濃度など)に従って二つ以上の相に分離することを相分離という.【Ⅰ】2種類以上の成分からなる溶液が,適当な温度,圧力,濃度の範囲で,それぞれ濃度の違った二つ以上の相に分離することをいう.互いに相溶性が悪い場合には相分離を起こすのが普通である.たとえば,2種類の溶媒を任意の組成比で混合し,その溶液の温度を低下させると,ある温度(この温度を共溶点,もしくは共溶温度という)でそれぞれの成分の組成比が異なる二つの液相に分離する.逆に温度を上げたときに相分離が起こる場合もある.これらの現象を応用したものとしては,抽出,分子量分布の分別などがある.[別用語参照]相互溶解度【Ⅱ】固体物質を溶媒に溶かした溶液をある条件下におくと固体が沈殿したり,結晶化する現象がある.この現象も相分離ということがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…また物質系が,ただ一つの相からなる場合は均一系または単相系といい,二つ以上の相を含むときは,不均一系または多相系という。均一系が温度を下げたりすることによって二つまたはそれ以上の相に分かれて不均一になることを相分離,分離した相がそのまま安定に存在することを相平衡という。気相,固相などの呼び方のほかにも磁性体で外部磁場がないにもかかわらず磁化をもつ場合の相を強磁性相,また低温で電気抵抗が0になる相を超伝導相と呼んだりし,このほか液晶もその構成分子の配列の仕方によってコレステリック相,ネマティック相,スメクティック相などに区分される。…
※「相分離」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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