真昼山地(読み)マヒルサンチ

デジタル大辞泉 「真昼山地」の意味・読み・例文・類語

まひる‐さんち【真昼山地】

岩手県中西部、秋田県にまたがる山地。標高1000メートル級の山々が連なり、真昼岳(標高1060メートル)が主峰で、和賀岳(標高1440メートル)が最高峰

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改訂新版 世界大百科事典 「真昼山地」の意味・わかりやすい解説

真昼山地 (まひるさんち)

秋田・岩手県境にあり,奥羽山脈の一部をなす山地。北に駒ヶ岳,南に栗駒山などの火山があり,その間をほぼ南北に約50kmにわたって連なる。地質は中部中新統の砂岩,ケツ岩,凝灰岩と,玄武岩,安山岩などからなり,奥羽山脈にあっては神室(かむろ)山地,川桁(かわげた)山地などとともに非火山性山地である。北半部は真昼岳(1060m),和賀岳(1440m),薬師岳(1218m),鹿ノ子山(938m)などからなり,東縁を和賀川断層谷,西縁を真昼岳断層崖によりそれぞれ画される典型的な地塁山地である。とくに西縁の断層崖下にはいくつかの扇状地群が発達し,それらの変位から新期の断層運動が推定されている。1896年陸羽地震の際の変位も一連活断層の一環とされる。南半部は和賀川,黒沢川上流の鞍部で画され,三森山(1102m),蟻巣山(1162m),三界山(1381m)などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「真昼山地」の意味・わかりやすい解説

真昼山地
まひるさんち

岩手・秋田県境にあり、奥羽山脈の一部をなす非火山性山地。北の仙岩(せんがん)峠(894メートル)から南の白木(しらき)峠(602メートル)間にモッコ岳(1278メートル)、和賀岳(1439メートル)、薬師岳(1214メートル)、真昼岳(1059メートル)などの山々が連なる。第三紀層の砂岩、泥板岩、凝灰岩などからなり、火山岩や花崗(かこう)岩の小露頭も散見される。

 1896年(明治29)8月31日、真昼岳付近を震源地とする陸羽地震(マグニチュード7.5)により、岩手県側に和賀川断層、秋田県側に真昼岳断層が生じた。

[金野靜一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「真昼山地」の意味・わかりやすい解説

真昼山地
まひるさんち

岩手,秋田県境の中央部分,奥羽山脈の一部をなす断層山地。山地の中心は真昼岳 (1059m) 。北から和賀岳 (1439m) ,薬師岳 (1218m) ,鹿子ノ山 (しかこのやま。 938m) ,真昼岳などが連なる。北は JR田沢湖線の通る仙岩峠 (894m) ,南は北上線の横切る峠で境され,岩手側の和賀川,秋田側の玉川の分水界をなす。非火山性山地で,地質的には中部中新統の地層から成る。山地の東側は和賀川上流断層谷,西側は真昼岳断層崖で,1896年の陸羽地震で東には川舟断層,西には千屋断層が地表に現れた。

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