怪談噺(ばなし)。三遊亭円朝(えんちょう)21歳(1859)の作といわれ、当初の演題は『累ヶ淵後日(ごにち)の怪談』。説教話材『祐天上人(ゆうてんしょうにん)一代記』(累解脱(かさねげだつ)物語)に取材した先行の累狂言を潤色、脚色した長編。円朝は1872年(明治5)素噺(すばなし)に転向したのち口演するに際し、文明開化に怪談は通用しないとの漢学者信夫恕軒(しのぶじょけん)の意見を入れ、「神経」をもじった「真景」の題で評判をよんだ。速記により活字化されている。
安永(あんえい)2年(1773)12月20日、根津(ねづ)七軒町の鍼医(はりい)宗悦(そうえつ)が、貸し金の催促から旗本の深見新左衛門に殺されるのが発端。新左衛門はその亡霊と誤って妻を殺し、乱心のうえ非業の死を遂げる。深見家は改易になり、長男新五郎と乳飲み子の次男新吉は別れ別れに成長、新五郎は勤め先の質店(しちみせ)に奉公する宗悦の次女お園にほれるが、嫌われたすえ誤って殺して逐電、のち召し捕らえられて打ち首になる。20年後、新吉は宗悦の長女で富本の師匠、豊志賀(とよしが)とふとした縁でわりない仲になるが、豊志賀は年上の女の悋気(りんき)から、若い女弟子お久(ひさ)と新吉の間を疑ったあげく、腫物(できもの)から面相も変わり、新吉の女は7人まで取り殺すとの遺書を残して悶死(もんし)。新吉はお久と下総(しもうさ)羽生(はにゅう)村に落ち延びる途中、豊志賀の霊に悩まされてお久を殺し……と、因果の糸に操られた新吉は深見の家に縁ある人々を次々と手にかけたすえ、輪廻(りんね)の恐ろしさに自害する。1898年(明治31)歌舞伎(かぶき)化されて以来たびたび舞台にもかけられているが、噺のほうでも上演頻度の多い「豊志賀の死」のくだりを中心とすることが多い。
[関山和夫]
『『三遊亭円朝全集1』(1975・角川書店)』
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