矢祭山(読み)やまつりやま

改訂新版 世界大百科事典 「矢祭山」の意味・わかりやすい解説

矢祭山 (やまつりやま)

福島県中通り,東白川矢祭町南西部,久慈川沿いにある山。標高383m。花コウ岩からなり,南東斜面は,横谷を刻む久慈川の浸食により奇岩がそびえ立ち,アカマツの老木とヤマツツジの大群落はみごとで,奥久慈県立自然公園の一部になっている。矢祭の名は源頼義・義家父子が陸奥出兵の際,この地にとどまり,戦勝を祈願して征矢(そや)(軍陣に用いる矢)を奇岩にまつったことに由来するといわれる。国道118号線,JR水郡線が通じ,矢祭山駅の南西,国道沿いには矢祭神社,北東約500mの久慈川左岸には矢祭温泉がある。また近くに野鳥の森があり,約30種の野鳥が生息し,探鳥路も作られている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「矢祭山」の意味・わかりやすい解説

矢祭山
やまつりやま

福島県南東部、東白川(ひがししらかわ)郡矢祭町にある山。標高402メートル。茨城県との県境近くの八溝山地(やみぞさんち)の一峰で、花崗(かこう)岩からなる山体の一部は久慈(くじ)川に深く刻まれ、奇岩の連なる峡谷となっている。サクラやツツジの名所でもあり、奥久慈県立自然公園の中心。矢祭の名は、八幡(はちまん)太郎義家(よしいえ)が東征の帰途、矢をこの地に祀(まつ)ったことに由来するという。矢祭神社には当地出身の和算家吉田作四郎の和算算額が奉納されている。

[中村嘉男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「矢祭山」の意味・わかりやすい解説

矢祭山
やまつりやま

福島県南東部,茨城県境近くにある八溝山地東端の山。標高 402m。おもに花崗岩から成り,久慈川に面して奇峰がそそり立つ。「矢祭」の名は八幡太郎義家 (→源義家 ) が奥州征伐の際,山麓の神社に矢を奉納したことに由来。奥久慈県立自然公園に属する。

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