石鉄隕石(読み)セキテツインセキ(英語表記)stony iron

デジタル大辞泉 「石鉄隕石」の意味・読み・例文・類語

せきてつ‐いんせき〔‐ヰンセキ〕【石鉄×隕石】

ニッケル合金と珪酸塩けいさんえん鉱物とをほぼ等量に含む隕石

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改訂新版 世界大百科事典 「石鉄隕石」の意味・わかりやすい解説

石鉄隕石 (せきてついんせき)
stony iron

ニッケル鉄とケイ酸塩鉱物が混合した隕石で,おもなものにパラサイトpallasiteとメソシデライトmesosideriteがある。パラサイトの組織は地球の岩石には見られないもので,地球以外の天体からきたものだと最初に確認されたのがこの隕石である。パラサイトはあめ色をした1cm大のカンラン石の結晶が,すみを接してニッケル鉄中に散らばっているもので,この特異な組織のため,古い時代に落下していたものが後で発見される場合が多く,落下の目撃されたパラサイトはまれである。カンラン石の組成マグネシウムに富む主グループと,これより少し鉄に富む小グループがある。パラサイトの特異な組織がどうしてできたかについては論議が絶えず,溶融分化してできた小天体の内部でできたとする説,小天体のニッケル鉄核とマントルの境界でできたとする説などがある。メソシデライトはパラサイトよりニッケル鉄の量が少なく,ホワルダイトと呼ばれるエコンドライトにニッケル鉄が分散して混合したような組織をもつ。ケイ酸塩鉱物は斜方輝石ピジョン輝石斜長石などよりなるが,熱変成作用によって変化しているものが多い。ホワルダイト母天体に鉄隕石が衝突して混合してできたとする説がある。

 これらのほかに,ただ1種のみ知られている石鉄隕石が二つある。シデロファイアsiderophyreにはシュタインバハ隕石が一つあるだけで,ニッケル鉄と輝石およびトリディマイトSiO2がそれぞれ等量混合した粗粒結晶質の岩石である。輝石は2種の相よりなる。ロドラナイトlodraniteはロドラン隕石が一つ知られていただけだが,最近,南極隕石の中に,第2,第3のものが発見された。ニッケル鉄と斜方輝石,カンラン石よりなる粗粒の結晶質岩石である。これらの隕石と他種隕石の関連性は,ロドラナイトを除いてはあまり知られていない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石鉄隕石」の意味・わかりやすい解説

石鉄隕石
せきてついんせき
stony iron meteorite

鉄-ニッケル合金とケイ酸塩鉱物とがほぼ等量含まれている隕石。ケイ酸塩鉱物の部分が,おもに橄欖石から成るパラサイト,斜方輝石や微斜長石を主とするメソシデライトなどに分けられる。いままでに知られている隕石,隕鉄総数の4% (70個) を占める。

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百科事典マイペディア 「石鉄隕石」の意味・わかりやすい解説

石鉄隕石【せきてついんせき】

ニッケル鉄とケイ酸塩鉱物からなる隕石。カンラン石の結晶がすみを接する形でニッケル鉄中に散らばっているパラサイト,パラサイトよりニッケル鉄の量が少なく,エコンドライトにニッケル鉄が分散したような組織(ホワルダイトという)をもつメソシデライトなどがある。

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化学辞典 第2版 「石鉄隕石」の解説

石鉄いん石
セキテツインセキ
stony-iron meteorite

[同義異語]いん石

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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