えびの高原(読み)エビノコウゲン

デジタル大辞泉 「えびの高原」の意味・読み・例文・類語

えびの‐こうげん〔‐カウゲン〕【えびの高原】

宮崎県南西部にある高原標高約1200メートル。韓国からくに白鳥しらとり山・こしき岳に囲まれ、六観音池などの火口湖温泉がある。中央にある硫黄山噴気で、秋にススキがえび色に染まる。

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日本歴史地名大系 「えびの高原」の解説

えびの高原
えびのこうげん

えびの市の南部、霧島山中にある標高約一二〇〇メートルの高原。東の韓国からくに(一七〇〇・三メートル)、西の蝦野えびの(一三〇五・四メートル)、北の白鳥しらとり(一三六三・一メートル)、南の大浪おおなみ(現鹿児島県牧園町、一四一一・四メートル)に囲まれて小盆地を形成している。北東部には火口湖不動ふどう池がある。水系は高原の北西部が川内せんだい川支流長江ながえ川の谷の源流部になる。

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改訂新版 世界大百科事典 「えびの高原」の意味・わかりやすい解説

えびの高原 (えびのこうげん)

宮崎県南西部の霧島火山群の北部にある高原。韓国(からくに)岳,甑(こしき)岳,白鳥山,えびの岳の間に火山噴出物が堆積してできた盆地状の高原で,一辺約2.5kmのほぼ正三角形をなし,標高1200mを示す。かつては蝦野と書いた。高温の蒸気によるえびの高原温泉(ミョウバン・緑バン泉,96℃)があり,夏季は平均気温約20℃と涼しく霧島火山群への登山が容易であること,1961年小林市から同高原を経て霧島温泉に通じる有料道路が完成して宮崎市や鹿児島市との交通連絡が容易になったことなどによって,同高原はレクリエーション,保養の地として広く知られてきた。高原の自然は美しく,現在も噴気活動を激しく続けている硫黄山,付近にある白紫(びやくし)池,六観音池,不動池の各火口湖,樹齢100年をこえる数千本のアカマツの美林,ノカイドウ自生地(天),ミヤマキリシマなどは貴重な研究資料である。訪問者は夏季に集中し,冬季は白紫池が天然のスケートリンクになり,スケート大会が開かれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「えびの高原」の意味・わかりやすい解説

えびの高原
えびのこうげん

宮崎県南西部,霧島山の北斜面にある高原。標高約 1200m。霧島錦江湾国立公園に属する。韓国岳(1700m),白鳥山(1363m),えびの岳(1293m),甑岳(こしきだけ。1301m)に囲まれている。高原北部に六観音池,白紫池(びゃくしいけ),不動池の火口湖,高原東側にアカマツの美林がある。5月にはカイドウの白い花とミヤマキリシマの赤い花,夏には避暑とキャンプ,秋は紅葉,冬にはスケートや霧氷と,四季の景観は変化に富む。小林市林田温泉に有料道路が開通してから,観光地として急速に発展。鹿児島市,宮崎市から直通バスの便がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「えびの高原」の意味・わかりやすい解説

えびの高原
えびのこうげん

宮崎県南西部、韓国(からくに)岳、白鳥山、えびの岳に囲まれた標高約1200メートルの盆地状高原。えびの市に属す。東に韓国岳の大火口や、硫黄山(いおうやま)の噴気をみることができ、北部には白紫(びゃくし)池、六観音池、不動池の火口湖が並んでいる。硫黄山付近は巨礫(きょれき)が散在し、噴火の際放出した火山弾の特徴をよく示す。植生はアカマツ林、混合樹林のほか、ノカイドウ(国指定天然記念物)、ミヤマキリシマの群落がある。高原のススキも噴気の影響で葡萄(えび)色に染まり、地名の由来を物語る。えびの高原温泉、えびの高原人工スケート場もある。霧島錦江湾国立公園(きりしまきんこうわんこくりつこうえん)の一中心で、北霧島有料道路、県道小林えびの高原牧園線が通じる。

[横山淳一]


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百科事典マイペディア 「えびの高原」の意味・わかりやすい解説

えびの高原【えびのこうげん】

宮崎県西部,霧島山の韓国(からくに)岳北西麓に広がる標高1200mの高原。えびの市に属し,霧島錦江湾国立公園に含まれる。甑(こしき)岳,白鳥山がそびえ,御池,白紫池,不動池が点在,5月ごろツツジや天然記念物のノカイドウが咲く。えびの高原温泉,白鳥温泉,キャンプ村がある。
→関連項目えびの[市]

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