硫黄華(読み)イオウカ(その他表記)flower of sulfur

デジタル大辞泉 「硫黄華」の意味・読み・例文・類語

いおう‐か〔いわうクワ〕【硫黄華】

硫黄蒸気を急冷し固化させて得られる黄色の粉末天然には硫黄泉の噴出口にみられる。昇華硫黄

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精選版 日本国語大辞典 「硫黄華」の意味・読み・例文・類語

いおう‐かいわうクヮ【硫黄華】

  1. 〘 名詞 〙 硫黄の蒸気が凝縮固化したもの。天然には火山温泉などの噴出口にみられる。無臭で黄色の粉末。皮癬(ひぜん)などの皮膚病外用するほか、緩下(かんげ)剤、ギョウチュウなどの駆虫剤として内用。昇華硫黄。いおうばな。ゆおうか。
    1. [初出の実例]「『ゴム』十分五の割に、硫磺花を参和し、『ロール』にて煉れば、黒質の『ゴム』となる」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二)

いおう‐ばないわう‥【硫黄華】

  1. 〘 名詞 〙いおうか(硫黄華)

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改訂新版 世界大百科事典 「硫黄華」の意味・わかりやすい解説

硫黄華 (いおうか)
flower of sulfur

粗製硫黄を熱して気化させ,これを融点以下温度に保った凝縮室で固化させたもの。昇華硫黄ともいう。黄色の結晶状粉末で,おもにα硫黄(斜方硫黄)であるが,無定形硫黄も混じっている。硫黄には消炎殺菌殺虫,皮膚角質軟化作用があるので,硫黄華を軟膏として疥癬かいせん),寄生虫性皮膚炎,慢性湿疹などに外用する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「硫黄華」の意味・わかりやすい解説

硫黄華
いおうか
flower of sulfur

粗硫黄を鉄製レトルト中で気化させ、これを凝縮室に導き、融点(119℃)以下の温度で固化させたもの。黄色の結晶状粉末で、おもにα(アルファ)硫黄(斜方晶系硫黄)であるが、無定形硫黄(硫黄のS8環が開いて重合して固まったもの)も混じっている。また昇華中に生じた亜硫酸などの不純物を吸着している。

[守永健一]

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百科事典マイペディア 「硫黄華」の意味・わかりやすい解説

硫黄華【いおうか】

粗製硫黄を蒸留,気化させ,融点以下で固化させたもの。無味無臭の黄色粉末。主として斜方硫黄で,微量の無定形硫黄を含む。日本薬局方では昇華硫黄といい,にきび,疥癬(かいせん),白癬,脂漏,色素沈着などに軟膏として用いる。
→関連項目温泉華

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化学辞典 第2版 「硫黄華」の解説

硫黄華
イオウカ
flower of sulfur

硫黄の蒸気を急冷するか,沈殿反応で析出した粉末状の硫黄をいう.おもに斜方晶系硫黄からなる.[CAS 7704-34-9]

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