礼砲(読み)レイホウ(その他表記)(gun)salute

デジタル大辞泉 「礼砲」の意味・読み・例文・類語

れい‐ほう〔‐ハウ〕【礼砲】

軍隊礼式一つで、敬意・祝意を表すしるしとして撃つ空砲
[類語]祝砲空砲弔砲

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精選版 日本国語大辞典 「礼砲」の意味・読み・例文・類語

れい‐ほう‥ハウ【礼砲】

  1. 〘 名詞 〙 軍隊の礼式の一つ。敬意を表わすために発射する一定の数の空砲。敬意の対象となる者、およびその発射数について規定がある。
    1. [初出の実例]「皇子、皇女、親王への礼砲にて」(出典:東京日日新聞‐明治九年(1876)一一月二八日)

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改訂新版 世界大百科事典 「礼砲」の意味・わかりやすい解説

礼砲 (れいほう)
(gun)salute

軍隊の礼式の一つ。賓客の到着や離去に際し,あるいは外国の港に入港する軍艦とそれを迎える側によって,敬意を表するために打たれる空砲。大砲が未発達のころは次弾の装てんに時間がかかったため,大砲を空にし相手に対する敵意のないことを示すために,軍艦や砲台が行ったのが起源といわれる。日本ではM.C.ペリーが1853年(嘉永6)に浦賀沖で打ったのが最初で,日本人の手によるものとしては咸臨丸サンフランシスコで打ったものが最初と思われる。旧日本陸・海軍では外国の賓客のほか,天皇,皇族などに対しても行われ,また紀元節,天長節等の祝日にも打たれた。礼砲の数は国際慣習に従い,たとえば元首の場合21発が普通である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「礼砲」の意味・わかりやすい解説

礼砲
れいほう
gun salute

軍隊や軍艦が敬意表明のために,大砲を空砲発射すること。その国を公式訪問する外国の元首,政府・軍の高官,または陸軍部隊,艦艇を公式訪問する元首,高官などの到着の際に発射。軍艦が外国港に入港のときや外国軍艦を歓迎するときにも行う場合がある。夜は行わない。日本の自衛隊の礼砲発射回数は3~5秒間隔で,外国元首 21発,首相 19発,大臣大将 17発など,最低 11発まで定められている。もともとは,帆船時代の先込め式大砲の慣習によるもので,大砲を発射することによって,大砲の中にはもう弾丸が入っていないことを示した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「礼砲」の意味・わかりやすい解説

礼砲
れいほう

陸海軍の礼式の一種で敬礼、表祝のために発射する空砲をいう。旧日本陸軍の礼砲式は紀元節、天長節、臨時祝日に実施され、天皇に101発、皇族に21発、元帥・陸軍大臣・参謀総長に19発、師団長に13発と発砲回数が決められていた。また旧日本海軍礼砲は、天皇・皇族・外国元首に実施する皇礼砲と、海軍大臣・軍令部総長に実施する礼砲に区分され、前者は21発、後者は17発と決められていた。現在は国際的な外交儀礼として決まっており、それに従い実施している。

[纐纈 厚]

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