神王(読み)しんのう

精選版 日本国語大辞典 「神王」の意味・読み・例文・類語

しん‐のう‥ワウ【神王】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しんおう」の連声。「じんのう」とも ) 仏語仏教やその行者を守護する神。多く甲冑(かっちゅう)を着し、忿怒の相に描かれる。
    1. [初出の実例]「其の山寺に一つの執金剛神の像を居(お)く。行者、神王の(こむら)に縄を繋けて引き」(出典日本霊異記(810‐824)中)
    2. [その他の文献]〔李嶠‐洛州昭覚寺瑞像碑〕

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改訂新版 世界大百科事典 「神王」の意味・わかりやすい解説

神王 (みわのおう)
生没年:737-806(天平9-大同1)

天智天皇曾孫,施基(志貴)皇子の孫,榎井親王の子,光仁天皇の甥。767年(神護景雲1)従五位下,770年(宝亀1)従四位下,このころ光仁天皇皇女三品美弩摩内親王と婚。左大舎人頭,大蔵卿をへて779年参議,その後大蔵卿や弾正尹を兼ね,786年(延暦5)正四位上。791年桓武天皇を邸に迎え,794年従三位中納言,796年大納言,翌年刪定令格を奏上,798年右大臣,802年と803年桓武天皇に奉献した。806年桓武天皇の没後,4月13日代表して皇太子(平城)に即位を上啓したが,24日に没した。《日本後紀》の没時の伝に,〈性恭勤,文少なく,物に接して淡若,顕貴に居ると雖も克く終を有つ〉とある。桓武天皇に廃された皇太子早良(さわら)親王の妹が妻であったことを指すものと思われる。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「神王」の解説

神王 みわおう

737-806 奈良-平安時代前期の公卿(くぎょう)。
天平(てんぴょう)9年生まれ。榎井(えのい)親王の王子。施基(しきの)皇子の孫。宝亀(ほうき)11年(780)参議。延暦(えんりゃく)15年大納言,17年右大臣となり,従二位にいたる。壱志濃(いちしの)王とともに桓武(かんむ)天皇の治世をささえた。延暦25年4月24日死去。70歳。贈正二位。

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