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神経性頻尿 しんけいせいひんにょうPollakisuria Nervosa

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家庭医学館の解説

しんけいせいひんにょう【神経性頻尿 Pollakisuria Nervosa】

[どんな病気か]
 頻尿とは、日中の起床中の排尿(はいにょう)回数が、おおよそ10回以上の場合をいいます。
 頻尿は、さまざまな器官の病気(もっとも多いのは膀胱炎(ぼうこうえん)や前立腺炎(ぜんりつせんえん)に代表される下部尿路(かぶにょうろ)の炎症)によっておこりますが、このような原因がはっきりとしない場合、神経性頻尿と診断されるのがふつうです。
 厳密には、神経性頻尿はさらに心因性(しんいんせい)頻尿と本態性(ほんたいせい)頻尿に分けられます。
 心因性頻尿とは、心の不調がからだの不調として現われる心身症(しんしんしょう)(「心身症」)の一種です。膀胱は、精神的・感情的作用を受けやすい臓器の1つで、心臓や脳などとともに心身症が現われやすく、膀胱に現われるときは、残尿感(ざんにょうかん)、まったく尿が出なくなる尿閉(にょうへい)とともに頻尿がよく現われます。
 本態性頻尿とは心因性でもなく、ほんとうに原因不明の頻尿をいいます。
 この両者は区別すべきですが、ここでは一括して説明することにします。
[症状]
 症状は頻尿だけで、失禁(しっきん)はみられません。頻尿も睡眠中はないのが特徴です。
 誘因である情緒不安定が慢性化すると、勤務中や授業中、電車やバスの乗車中などに、強い尿意に悩まされます。これが日常生活に支障が出るほどになると、治療の対象となります。
[原因]
 からだにはっきりした異常はないので、原因ではなく誘因として説明します。
 誘因はさまざまで、家族の不和、会社での失敗、対人関係などによる情緒不安定、過去に下部尿路の病気にかかったことなどがあげられ、おもに青壮年期の女性に多くみられる病気です。
[検査と診断]
 診断には、まず頻尿の原因がほかの病気である可能性を取り除きます。
 頻尿だけで、痛み、排尿困難、血尿(けつにょう)、失禁などの症状をともなわず、尿検査でも異常がありません。
 1日の尿量は正常範囲内であり、膀胱は大きくなったり小さくなったりもしていません。残尿もありません。
 脳血管障害パーキンソン病(「パーキンソン病(特発性パーキンソニズム)」)などでは、排尿筋が意志と無関係に収縮し、頻尿がおこりますが、この場合は、原因が容易に判断できます。
 ときに、潜在的にあった神経因性膀胱障害(「神経因性膀胱」)や、婦人科に特有の病気が原因である可能性もありますので、見落とさないよう注意が必要です。これらの可能性がまったくないとなれば、神経性頻尿と診断されます。
[治療]
 その原因(誘因)から考えて、精神的アプローチによる治療が中心となります。まず初めに、からだには病気がまったくないという医師の説明を、理解し、納得する必要があります。そして、その原因を明らかにし、治療するには、患者さん自身がそのことを自覚して解決するほかにない病気であることを認識しましょう。
 複雑な精神的背景があると思われる場合、心療内科や精神科の医師の指導や治療を受ける必要もあります。
 薬物療法は、補助的なものにすぎませんが、ときに暗示的な効果もあってか、よく効く場合もあります。この場合、精神安定剤、精神神経調整薬などが主体となります。

出典|小学館
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