1881年(明治14)6月、秋田県の自由民権結社立志会によって企てられた政府転覆計画。秋田立志会は1880年8月10日に平鹿(ひらか)郡中吉村(現横手市平鹿町)の中農柴田(しばた)浅五郎らが創設、県下の士族や農民約3000名を組織し、国会期成同盟大会にも参加した。1881年5月ごろから社長柴田を中心に政府転覆の計画をたて、その資金調達のため強盗を行い、同年6月16日を期して横手町近郷の豪農を襲い、ついで警察署、郡役所、銀行、県庁などを襲撃占拠する目的で蜂起(ほうき)を準備した。しかし同年6月8日平鹿郡阿気村の豪農須藤宅を襲い衣類金銭を強奪したのが発覚し、柴田はじめ64名が逮捕された。柴田は重懲役10年に処せられたほか28名が懲役刑に処せられ、他は無罪放免となった。
[後藤 靖]
『秋田県自由民権百年記念実行委員会編『秋田の自由民権』(1981・秋田文化出版社)』▽『手塚豊著『自由民権裁判の研究』全3巻(1982~1983・慶応通信)』
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