3乗してaとなる数を,aの立方根,または3乗根という。とくに,aが実数のとき,x3=aを満たす実根xは,つねにただ一つあり,3\(\sqrt{a}\)で表す。例えば, などである。しかし,平方根の場合とは異なり,与えられた実数aの3乗根を,定規とコンパスを用い作図により求めることは,一般には必ずしも可能ではないことが証明されている。とくに,3\(\sqrt{2}\)(つまり,体積2の立方体の1辺の長さ)を,作図により求める問題は,古代から〈立方倍積問題〉,あるいは〈デロスの問題〉と呼ばれ,三大作図不能問題の一つとして有名である。
一般の0でない複素数αについて,αの立方根はすべて複素数で3個ある。1の立方根は,
x3-1=(x-1)(x2+x+1)=0
により,
を得る。後の二つを1の虚立方根といい,そのいずれか一つをωで表すと,他はω2となり,1+ω+ω2=0を満たしている。さらに,0でない複素数αの立方根の一つをβとすると,αの立方根はβ,βω,βω2の3個である。
実数aの,実数の範囲での立方根を求めることを,aを立方に開く,またはaを開立するといい,その計算の方法を開立法という。開立法は,立方の公式,
(x+y)3=x3+3x2y+3xy2+y3
を利用する。すなわち,aを正の数とするとき,
(1)3乗すればaより小で,aに近い正の数b1をとる。
(2)3\(\sqrt{a}\)-b1=c>0とすれば,
a=b13+3b12c+3b1c2+c3
である。ここで,cはb1に比べて小さいから,3b1c2+c3を無視することにより,となる。
(3)そこで,に近く,これより小さい正の数c1をとる。b2=b1+c1とすれば,b2はb1より,さらに3\(\sqrt{a}\)に近づく。
(4)次に,b1の代りにb2を用い,(2)(3)の操作を行い,b3を求める。
(5)以下,(2)(3)(4)を繰り返し,b4,b5,……を求めていけば,n回目にbn=3\(\sqrt{a}\)となるか,nが大きくなるにつれ,bnは限りなく3\(\sqrt{a}\)に近づく。
例えば,a=12977.875のとき,まず小数点を基準にして,3桁ずつにくぎる。
12・977・875・
(1)これから,aの立方根の整数部分が,2桁であることを知り,b1=20としてよいことがわかる。から,c1=3。
(3)b2=b1+c1=20+3=23。
(4)以下,計算を続ける……。
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