日本大百科全書(ニッポニカ) 「美都」の意味・わかりやすい解説
美都
みと
島根県南西部、美濃郡(みのぐん)にあった旧町名(美都町(ちょう))。現在は益田市(ますだし)の東部を占める地区。1954年(昭和29)東仙道(ひがしせんどう)、二川(ふたかわ)、都茂(つも)の3村が合併して美都村成立、1957年町制施行。2004年(平成16)益田市に編入。旧町域は、中国山地の嶺線に近い中山間地帯に位置し、益田川が流れる。国道191号が通じ、市の中心部から自動車で約30分の距離にある。区域の約87%は山林。おもな産業は農業と林業。過疎化で集落が中心部に移転し、「通勤耕作」が行われている所もある。ユズとその加工品が特産。ワサビ・シイタケの栽培、イチゴ、メロン、ホウレンソウなどのハウス栽培、肉用牛の飼養なども行われる。古代以来の都茂鉱山は1988年に閉山。板井川流域に双川(ふたかわ)峡谷がある。
[野本晃史]
『『美都町史』(1968・美都町)』