デジタル大辞泉
「笠間焼」の意味・読み・例文・類語
かさま‐やき【笠間焼(き)】
茨城県笠間市とその近辺から産する陶器。江戸中期に始まる。初めは日用雑器、その後は厨房用の粗陶器などが作られた。現在は民芸陶器として知られる。
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かさま‐やき【笠間焼】
- 〘 名詞 〙 茨城県笠間市付近でつくられる陶器。天保年間(一八三〇‐四四)山口勘兵衛が日用雑器を作ったのに始まるといわれる。明治時代に、花瓶、置き物などもつくるようになって盛んとなり、現在は民芸陶器として知られている。
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笠間焼[陶磁]
かさまやき
関東地方、茨城県の地域ブランド。
茨城県笠間地域に由来する伝統的な技術・技法により茨城県笠間市及びその周辺地域で生産された陶磁器製の急須・皿・徳利・茶碗・湯呑など。江戸時代の安永年間(1772年〜1781年)に、笠間市内の職人が信楽焼の陶工の指導で窯を焼いたのが始まりとされている。鉄分を多く含んだ赤褐色の笠間粘土は可塑性に優れているため、ろくろによる成形技術が発達した。地肌が赤黒く焼きあがった笠間焼は、素朴な手づくりの温かさ・力強さ・渋味など深い味わいがある。現在は伝統美に加え、現代的感覚のデザイン・色彩も取り入れ、暮らしに根を下ろした生活用品を幅広く生み出している。茨城県郷土工芸品。1992(平成4)年10月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。2007(平成19)年10月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5082726号。地域団体商標の権利者は、笠間焼協同組合。
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報
笠間焼
かさまやき
茨城県笠間市で産する陶器。創業に関しては諸説あり,一説には天保年間 (1830~44) に,信楽焼の陶工が箱田で焼いたといい,また,相馬焼の陶工が宍戸で窯をつくったともいわれる。箱田焼あるいは宍戸焼などと呼ばれ,この地を治めていた藩主牧野氏の保護のもと土瓶や水甕などをおもにつくったが,戊辰の乱で一時衰滅しかけたのを明治に入り,大垣から田中友三郎が移り住み,笠間を中心に活躍し,笠間焼の名が広まった。製品は粗陶器,炻器 (せっき) で,益子焼に似た土瓶,土鍋,すり鉢,片口の類をつくったが近年,花器,食器,酒器なども産している。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の笠間焼の言及
【笠間[市]】より
…加えて水戸~結城~小山を結ぶ街道(現,国道50号線)の宿場町であった。伝統産業として笠間藩の保護・育成をうけた笠間焼は,近江の信楽(しがらき)焼の技術を入れて始められたもので,水がめ,すり鉢を主とし,[益子焼](栃木県)の祖と称される。明治中期,鉄道(現,JR水戸線)開通に伴い,市域西部から花コウ岩の採掘が始まり,質の良い白色の稲田御影石として東京市場で重用され,ビル建設,市街軌道敷石となった。…
※「笠間焼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」