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第三勢力 だいさんせいりょくthird force

翻訳|third force

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

第三勢力
だいさんせいりょく
third force

国内政治において,本来は右翼と左翼,急進と保守などの2つの勢力が存在する場合,中間的な立場を取る政治勢力を意味したが,その後この用語は一般化されて,共産主義勢力と資本主義勢力に対する中間的勢力としての社会民主主義勢力を意味するようになり,さらに国際政治においては,第2次世界大戦後の冷戦構造のもとで米ソいずれの陣営にも属さない非同盟主義の諸国をさすようになった。 1947年 11月,フランスの R.シューマンが組閣の際,新内閣は第三勢力に基礎をおくと言明し,フランス共産党とフランス国民連合の左右両勢力を排除して社会党,人民共和派,急進社会党を中心とする中間勢力を結集したのが,第三勢力の語の起源。第2次世界大戦後の冷戦体制下で,1950年代後半から 60年代前半にかけて J.ネルーのインド,G.ナセルのアラブ連合,スカルノのインドネシアなどの主としてアジア,アフリカ,ラテンアメリカ諸国にチトーのユーゴスラビアなどを加えた諸国は,米ソ両陣営に対して中立的立場に立ち,国際緊張緩和と世界平和を主張し,第三勢力として国際政治において積極的役割を果した。しかしソ連・東欧革命に伴う冷戦体制の崩壊は,国際政治における第三勢力の存在理由を一挙に薄弱にする結果をもたらし,第三勢力のにない手であった発展途上諸国の発言力を著しく弱める要因となった。

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デジタル大辞泉の解説

だいさん‐せいりょく【第三勢力】

対立する二大勢力の間にあって、いずれにも属さない第三の中立的勢力。

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百科事典マイペディアの解説

第三勢力【だいさんせいりょく】

政治的に対立する2大勢力の中間にあって双方影響力をもつ勢力。1947年フランスの人民共和派が自称して以来,左右両派に属さない政治勢力をいうようになった。米ソ対立の中でインドやアラブ諸国などいわゆる非同盟諸国が第三勢力と自称したこともある。

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大辞林 第三版の解説

だいさんせいりょく【第三勢力】

対立する二大勢力に対して、別の勢力のこと。新興勢力や二大勢力を牽制けんせいする立場にある勢力。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

第三勢力
だいさんせいりょく
third force

語源的には米ソに対するヨーロッパの地位確立を目ざす中道路線を意味するが、より一般的には第二次世界大戦後の冷戦状況に抗して米ソいずれの陣営にも属さない非同盟中立主義の諸国をさす。ネルーのインド、ナセルのアラブ連合、スカルノのインドネシアなどのアジア・アフリカ諸国は、1950年代中葉から60年代前半にかけて、独立ナショナリズムの高揚を背景に連帯し、冷戦的緊張の緩和と世界平和の実現を推進する役割を担った。1954年の中印間「平和五原則」や翌55年の第1回「アジア・アフリカ会議」は、これら第三勢力の象徴的成果である。しかし、60年代以後(1)第三勢力内部の利害対立の表面化、(2)いわゆる多極化の進展といった状況変化のため、第三勢力としての結束した行動はしだいに背景に退いていった。70年代中葉に中国が提唱した「第三世界論」は、イデオロギーでなく国力に注目した第三勢力概念の一変種である。[黒柳米司]

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