笹沢左保(読み)ササザワサホ

デジタル大辞泉 「笹沢左保」の意味・読み・例文・類語

ささざわ‐さほ〔ささざは‐〕【笹沢左保】

[1930~2002]小説家神奈川の生まれ。本名まさる。処女長編「招かれざる客」で注目され、「人喰い」で日本探偵作家クラブ賞(現、日本推理作家協会賞受賞。「木枯し紋次郎シリーズはテレビドラマ化された。本格推理小説から時代小説まで、幅広く活躍。平成12年(2000)日本ミステリー文学大賞受賞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「笹沢左保」の解説

笹沢 左保
ササザワ サホ

昭和・平成期の小説



生年
昭和5(1930)年11月15日

没年
平成14(2002)年10月21日

出生地
神奈川県横浜市

本名
笹沢 勝(ササザワ マサル)

学歴〔年〕
関東学院高等部〔昭和23年〕卒

主な受賞名〔年〕
日本探偵作家クラブ賞〔昭和36年〕「人喰い」,日本ミステリー文学大賞(第3回)〔平成11年〕

経歴
昭和27〜35年郵政事務官として東京地方簡易保険局に勤務。33年「全逓文化」の公募小説に当選。35年「招かれざる客」で江戸川乱歩賞次席となり、デビュー。36年「人喰い」で日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞。同年左保に改名し、本格ミステリー小説や風俗もの、時代小説などを手掛ける。45年頃から股旅物にも新境地を開拓し、「木枯し紋次郎」シリーズはテレビ化もされ大ヒット。63年佐賀県・富士町に移住。九州を舞台にした作品や大河小説宮本武蔵」を執筆した。57年父親のための青年塾を結成、世直し説法の講演で全国を行脚した。代表作に「空白の起点」「六地蔵の影を斬る」「孤独なる追跡」「他殺岬」「骨肉の森」「詩人の家」など。多作ぶりはつとに有名で、単行本は377冊を超える。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「笹沢左保」の意味・わかりやすい解説

笹沢左保
ささざわさほ
(1930―2002)

小説家。本名勝。横浜生まれ。関東学院中等部を卒業後、郵政省簡易保険局に勤務。1960年(昭和35)処女長編『招かれざる客』を刊行。構成の優れた本格推理小説として好評を博す。同年、炭鉱争議の組合分裂をテーマにした『人食い』で日本探偵作家クラブ賞を受賞、作家生活に入る。70年からは木枯し紋次郎をヒーローとする股旅(またたび)小説にも手を染め、巌流(がんりゅう)島の決闘以後の宮本武蔵(むさし)を描いた大河時代小説『宮本武蔵』全8巻も発表している。

厚木 淳]

『『笹沢左保選集』全6巻(1965・芸文社)』『『木枯し紋次郎』全15巻(光文社文庫)』『『宮本武蔵』全8巻(文春文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「笹沢左保」の解説

笹沢左保 ささざわ-さほ

1930-2002 昭和後期-平成時代の小説家。
昭和5年11月15日生まれ。笹沢美明(よしあき)の3男。昭和35年「招かれざる客」で注目され,36年「人喰い」で日本探偵作家クラブ賞。本格推理小説から風俗小説分野にも手をひろげる。46年「木枯し紋次郎」のシリーズを開始。平成12年日本ミステリー文学大賞。平成14年10月21日死去。71歳。神奈川県出身。関東学院高等部卒。本名は勝。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「笹沢左保」の解説

笹沢 左保 (ささざわ さほ)

生年月日:1930年11月15日
昭和時代;平成時代の小説家
2002年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android