人体に及ぼすリスクの程度に応じた分類で、不具合が生じても人体へのリスクが比較的少ない(クラスⅡ)と考えられる医療機器。副作用や機能障害が生じた場合に人の生命や健康に影響を与えるおそれがあり適切な管理が必要とされる。MRI装置、CT診断装置、超音波診断装置、X線画像診断機器、電子内視鏡、消化器用カテーテル、歯科用合金などが含まれる。
2002年(平成14)の薬事法改正により、それまでの医療用具は医療機器に名称変更された。医療機器は、人体に及ぼすリスクの程度に応じて必要な安全策を講じる目的で、国際分類などに沿って管理医療機器(クラスⅡ)と高度管理医療機器(クラスⅢ、Ⅳ。不具合が生じれば生命の危険や健康へ影響を及ぼすリスクが高い)、一般医療機器(クラスⅠ。不具合が生じても人体へのリスクがきわめて少ない)の三つに分類され、それぞれ承認や販売に関する規定が設けられた。
これら機器の製造販売は厚生労働大臣の承認が必要であったが、2014年の薬事法改正(法律名を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉」に変更)により、クラスⅠ~Ⅲの医療機器は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)や公益財団法人医療機器センター(JAAME:Japan Association for the Advancement of Medical Equipment)など民間の第三者登録認証機関(RCB:Recognized Certification Body)で基準に適合していると認証(第三者認証)されるだけで可能になった。クラスⅣは、厚生労働大臣の承認が必要で、また販売にあたってはPMDAの認証が必要である。
こうしたクラス分類にかかわらず、保管や修理などに専門的な知識と技術を要する医療機器は特定保守管理医療機器として扱われ、また設置にあたって組立てを要し、保健衛生上の危害発生を防ぐ目的で設置に管理を必要とする医療機器を設置管理医療機器という。
さらに医療機器の申請にあたっては、新たに開発された新医療機器、従来のものに改良を加えた改良医療機器、すでに承認された医療機器と同等の効果や効能が認められる後発医療機器などの区分があり、安全性と効能を明らかにできる臨床試験データの提出が必要なものと不要なものとがある。
[編集部 2016年9月16日]
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