蒸留法の一つ。単蒸留に際しては、外部から熱を供給することが必要であるが、蒸気が凝縮する場合は逆に熱を放出することになる。そこで、蒸留される液と、分縮をさせる蒸気を混合すると、ここで熱の受け渡しがおこり、蒸気のほうは低沸点成分が、液相には高沸点成分が多くなる。このような接触混合装置をいくつも連続して設置し、一端から蒸気、他端から液を送り込むと、蒸気には易揮発性成分、液相には難揮発性成分が濃縮する。このような蒸留法を精留という。連続式の精留を連続精留、回分式の精留を回分精留というが、工業的に行われる蒸留のほとんどは精留である。
[山崎 昶]
接触混合装置を多段に重ねると、必然的に高い塔状のもの(精留塔、蒸留塔ともいう)になる。これに蒸気源としての缶(かま)と凝縮器とが一組になったものが、工業で用いられる精留装置である。通常は、凝縮器から出る液も大部分は塔へ戻し、一部のみを留出液として採取する。石油化学工場にみられる、ひときわ高い塔がそれである。
[山崎 昶]
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混合液体の各成分の蒸気圧の差を利用して,各成分に分離する操作をいう.還流を行う蒸留を精留として区別することがあるが,現在,工業的に行われる蒸留の多くは還流を用いているので,精留と蒸留を同義に使うことも多い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…蒸留塔の大きさや還流比などは原料混合液の性質に基づいて計算され,決定されるようになっている。 なお,還流を行いながら蒸留を繰り返す分離操作を特に精留rectificationと呼ぶが,工業的には蒸留といえばほとんどの場合精留を意味する。また,適当な温度間隔をもって2種以上の成分の留出液を分け取る蒸留法を分留fractional distillationという。…
…蒸留を何回もくり返して,沸点の差の小さい液体の混合物から純粋成分を分離する操作。分別蒸留または精留ともいう。くびの長いフラスコで蒸留をくり返しても行えるが,ふつうは分留管または精留管とよぶ図のような特殊な装置を蒸留フラスコの先に連結して蒸留を行う。…
※「精留」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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