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糞線虫 ふんせんちゅう

百科事典マイペディアの解説

糞線虫【ふんせんちゅう】

線虫類に属する2〜2.5mmの寄生虫。寄生世代と自由世代をもつ複雑な発育史を示し,ヒトにはおもに経皮感染で腸に寄生。自家感染して長く続き慢性下痢などを呈する。熱帯地方に広く分布,日本では南九州以南にみられる。

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デジタル大辞泉の解説

ふん‐せんちゅう【×糞線虫】

熱帯・亜熱帯地域に広く分布する寄生虫。土壌中にいるフィラリア型の幼虫が皮膚を貫通して侵入し、十二指腸小腸上部で成虫となる。腸管内で孵化した幼虫の多くは糞便とともに排出される。→糞線虫症

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

糞線虫
ふんせんちゅう
[学]Strongyloides stercoralis

線形動物門双腺(そうせん)綱桿虫(かんちゅう)目糞線虫科に属する寄生虫。ヒトに寄生する。熱帯・亜熱帯地方に分布し、日本では琉球(りゅうきゅう)諸島、奄美(あまみ)諸島などにみられる。発育環には寄生世代と自活世代とがあり、世代交代を行う。
 寄生世代はすべて雌虫でフィラリア型の食道(くびれのない円筒状)をもち、体長約2ミリメートル、ヒトの小腸上部に寄生し、単為生殖によって産卵する。卵は急速に発育し、糞便とともに排出されるときには、ラブディティス型の幼虫(食道にくびれがある)となっている。この幼虫は外界で発育して雌雄の別が生じ(雄は体長0.7ミリメートル、雌1ミリメートル)、有性生殖によって産卵し、ふたたびラブディティス型の幼虫が孵化(ふか)する。外界の条件が悪くなると、ラブディティス型幼虫はフィラリア型幼虫となり、ヒトへの感染力を備える。
 ヒトへの感染は、フィラリア型幼虫が皮膚から侵入し、血流にのって肺に移行し、さらに気管、食道を経て小腸上部で成虫となる。また、ときに腸内で卵から孵化したラブディティス型幼虫が直接フィラリア型幼虫に発育して感染するいわゆる自家感染もみられる。多数寄生すると腹痛、下痢、粘血便などをおこして衰弱する。駆虫にはチアベンダゾールなどが用いられる。なお、家畜にはブタに寄生するブタ糞線虫S. ransomiなどが知られている。[町田昌昭]

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