全身の皮膚が潮紅し、
紅皮症は、それぞれ原因の異なる皮膚病に続いて発症します。最も頻度が高いのはアトピー性皮膚炎や高齢者の
このほか、
全身または広範囲の皮膚にびまん性の紅斑がみられ、落屑を伴います(図10)。通常、かゆみがあります。全身症状として発熱、悪寒や震えなどの体温調節障害、リンパ節のはれ、全身の
どの病気がもとにあって紅皮症を発症したのかを調べる必要があります。皮膚の生検(病気の皮膚を数㎜切り取って調べる病理組織検査)は、もとの病気が何かを知るうえで有用です。
紅皮症に共通する血液検査所見として白血球数、好酸球数、LDH(乳酸脱水素酵素)がいずれも増加します。また、紅皮症では有棘(ゆうきょく)細胞がんの腫瘍マーカーであるSCCが血液中に増加しますが、がんの心配はありません。
湿疹・皮膚炎に続発する紅皮症には、
薬疹による紅皮症では原因薬剤を中止し、副腎皮質ステロイド薬の外用、時に内服が行われます。
内臓障害を併発して死亡することのある薬剤性過敏症症候群では入院治療が必要で、副腎皮質ステロイド薬の内服や全身管理が行われます。
菌状息肉症などの皮膚悪性リンパ腫による紅皮症では、ナローバンドUVBなどの紫外線療法や電子線照射が行われます。
皮膚科専門医を受診して、もとの病気を調べ、それに合った治療を受ける必要があります。
末木 博彦
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
全身の皮膚が潮紅して落葉状あるいは粃糠(ひこう)(ぬか)様の落屑(らくせつ)を伴った状態。種々の原因によっておこる一種の皮膚反応型の症状。汎発(はんぱつ)化した湿疹(しっしん)とみられる湿疹続発性紅皮症、乾癬(かんせん)などが汎発化した各種皮膚疾患の続発性紅皮症、抗生物質などの薬剤による中毒性紅皮症、自家中毒などによるとみられる落屑性紅皮症、細網内皮系の腫瘍(しゅよう)や白血病にみられる腫瘍性紅皮症が含まれる。
[山田 清]
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