デジタル大辞泉
「紅皮症」の意味・読み・例文・類語
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こうひ‐しょう‥シャウ【紅皮症】
- 〘 名詞 〙 全身の皮膚の角質層が一様に紅色になり、小細片となってはがれ落ちる皮膚疾患。急性、慢性があり、皮膚の色素が沈着し、肥厚または萎縮、脱毛などの症状を呈する。剥脱性皮膚炎。落葉性皮膚炎。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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こうひしょうはくだつせいひふえん【紅皮症(剥奪性皮膚炎) Erythroderma】
[どんな病気か]
全身の皮膚が、ほぼ全面にわたって赤くなる(潮紅(ちょうこう))のが紅皮症で、たいていは、ふけのようなもの(鱗屑(りんせつ))が皮膚につき、むけてきます(落屑(らくせつ))。単独でおこることはなく、(「紅皮症のおもな原因」)にあげた病気に引き続いて発症します。おこりやすいのは40歳以上の人です。それも男性が女性の2~3倍、多くなっています。
表にあげた病気のうち、もっとも紅皮症をおこしやすいのは、湿疹(しっしん)・皮膚炎(ひふえん)で、これからおこったものを湿疹性紅皮症(しっしんせいこうひしょう)といいます。おとなにおこりやすいのですが、アトピー性皮膚炎の場合は、子どもでも紅皮症になることがあります。ついで多いのは、乾癬(かんせん)からおこる乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)、薬疹(やくしん)が進行悪化しておこる紅皮症(こうひしょう)です。
[症状]
原因となる病気の病状が安定していても、ちょっとしたことで急に紅皮症がおこってくることがあります。
皮膚が鮮紅色になり、数日のうちに全身へと広がっていきます。そのうちに皮膚がガサガサとなり、ふけがついたようになります(鱗屑)。この鱗屑が、ぬかや木の葉のような形ではがれてきます(落屑)。
皮膚にむくみ、熱感(ほてり)、強いかゆみがみられます。また、発熱、寒け、全身の倦怠感(けんたいかん)をともないます。尿が出にくくなることもあります。
治療を受けないでいると、数週間のうちに頭髪・体毛が抜けたり、爪(つめ)が変形して厚くなり、抜け落ちることもあります。皮膚表面近くの多数のリンパ節も腫(は)れてくるのがふつうです。
[治療]
治療だけでなく、原因の精査のためにも入院が必要です。
紅皮症をおこしている皮膚に副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン(ステロイド)軟膏(なんこう)を塗り、かゆみ止めの抗ヒスタミン薬を内服するなど、皮膚症状に応じた治療を行ないます。血液検査で、電解質の異常や低たんぱく血症がみられた場合は、これらを正常にするために輸液(点滴)が必要になります。
再発をくり返す場合や、副腎皮質ホルモン軟膏を外用しても効果のない場合は、副腎皮質ホルモンを注射や内服で用いますが、紅皮症は治まっても医師の許可が出るまでは、使い続けることが必要です。副腎皮質ホルモンは、使用量を徐々に減らしていって、ゼロにするのが原則なのです。
薬疹による場合は、原因となった薬の使用の中止が必要です。
通常の治療に抵抗性の場合は、背景に悪性腫瘍(あくせいしゅよう)がかくされていることがあるので要注意です。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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紅皮症
こうひしょう
erythroderma
剥脱性皮膚炎ともいう。全身の皮膚が発赤し,粃糠様とか落葉状など,さまざまな落屑をみる状態をいう。しばしばかゆみがあり,脱毛,爪の変形,表在性リンパ節腫脹などを伴う。病変が長期にわたる場合には,色素沈着および皮膚萎縮が認められる。次のように分類される。 (1) 湿疹続発性紅皮症 湿疹,脂漏性皮膚炎,アトピー性皮膚炎などを原疾患とするもの。激しいかゆみを伴い,好酸球増加症をみることが多い。 (2) 各種疾患続発性紅皮症 尋常性乾癬,扁平苔癬,ドベルジー毛孔性紅色粃糠疹,ヘーブラ疱疹状膿痂疹,ジューリング疱疹状皮膚炎,天疱瘡などに続発するもの。 (3) 中毒性紅皮症 ウイルス性疾患時の汎発性発疹,猩紅熱,術後紅皮症,紅皮症型薬疹などがこれに該当する。 (4) ライネル落屑性紅皮症 頭部の脂漏性皮膚炎として初発し,下降性に全身に広がる。乳児だけにみられる。 (5) 腫瘍性紅皮症 白血病性紅皮症,細網症性紅皮症ともいう。菌状息肉症,ホジキン病,細網症,白血病などに続発するもの。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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紅皮症
こうひしょう
全身の皮膚が潮紅して落葉状あるいは粃糠(ひこう)(ぬか)様の落屑(らくせつ)を伴った状態。種々の原因によっておこる一種の皮膚反応型の症状。汎発(はんぱつ)化した湿疹(しっしん)とみられる湿疹続発性紅皮症、乾癬(かんせん)などが汎発化した各種皮膚疾患の続発性紅皮症、抗生物質などの薬剤による中毒性紅皮症、自家中毒などによるとみられる落屑性紅皮症、細網内皮系の腫瘍(しゅよう)や白血病にみられる腫瘍性紅皮症が含まれる。
[山田 清]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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